ももクロも駆け付けた!TEAM SHACHI、笑顔にあふれた東京ラストワンマン
TEAM SHACHIが9月21日に東京・立川ステージガーデンにてワンマンライブ「TEAM SHACHI 最終SHOW~アイドルロード~:君のココロの伝説になりたい!」を開催した。
関東ラストワンマンはソールドアウト
2012年4月に愛知・名古屋城のふもとにて、チームしゃちほことして“路上デビュー”を果たしたTEAM SHACHI。現体制となった2018年10月に現名義でリスタートし、精力的に活動を続けてきたが、12月13日に原点である名古屋城のふもとで行うライブをもって、13年8カ月にわたる活動に幕を下ろす。今回の立川ステージガーデン公演は、TEAM SHACHIにとって最後の東京でのワンマンライブ。チケットはソールドアウトし、会場には大勢のタフ民(TEAM SHACHIファンの呼称)が訪れた。また公演の模様は17LIVEで生配信され、チケットを手に入れることができなかったタフ民もステージを見届けた。
オープニングアクト:ももいろクローバーZ
開演10分前、ステージに颯爽と現れた4つの影。しかし衣装のカラーは赤、紫、黄色、ピンクとTEAM SHACHIのメンバーカラーではない。会場がざわつく中、ステージが明るくなると、そこにはSTAR PLANETの先輩・ももいろクローバーZの姿が。突然の出来事に悲鳴のような歓声が沸き上がる中、オープニングアクトのももクロは「Z伝説 ~ファンファーレは止まらない~」と、TEAM SHACHI「雨天決行」のカバーで会場を温め、「お邪魔しました!」「TEAM SHACHI最高!」とメッセージを残して嵐のように去っていった。
1曲目はタフ民との始まりの曲
masasucks(G)、芳賀義彦(G)、MIYA(B / Name The Night)、Bunta(Dr / TOTALFAT)からなるバンド民(バンドメンバー)と、ブラス民(ブラス隊)による「OVERTURE~ORCA~」の演奏に導かれるように、秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫、坂本遥奈がステージへ。メンバーカラーを取り入れたレーシーな新衣装に身を包み、グループのシンボルであるシャチが付いたヘッドドレスを装着した4人はTEAM SHACHIとしての始まりの曲「DREAMER」でライブをスタートさせた。さらにTEAM SHACHIは準備運動と言わんばかりにキラーチューン「抱きしめてアンセム」を惜しみなく投下。来場者は、2010年代にアイドルファンだった人なら誰もが知るあのダンスを踊った。
客席を舞う6色の風船
コール&レスポンスで会場の心を1つにしたTEAM SHACHIは「START」でフロアを焚き付け、TEAM SHACHIとして初めて行ったツアーのテーマソングとも言えるポップチューン「かなた」でブラス民と息の合ったパフォーマンスを繰り広げる。「カントリーガール」では4人の幼少期の写真が次々映し出される演出が目を引き、「のんあるすいけん feat.炒飯」ではスタッフたちがパンダの被り物をして楽曲の世界観を演出した。
解散に向かって全速前進する今の気持ちや13年の活動で成長したことなどを語る映像が上映されたあと、光り輝く衣装に着替えたTEAM SHACHIは、2017年の愛知・ガイシホール公演「TEAM SYACHIHOKO THE LIVE ROAD to 笠寺 おわりとはじまり at 日本ガイシホール」で初披露した「プロフェッショナル思春期」を熱唱。続く「エンジョイ人生」では赤、青、ピンク、紫、黄色、緑のボールが客席に投下され、それが弾けイベントのロゴが入った大量の風船がフロア中に散らばる中で、メンバー同士が互いに抱く大切な思いを伝え合った。
「首都移転計画」「いいくらし」といった初期のトリッキーな楽曲を連続で披露して会場を踊らせたあとは、咲良の歌い出しから「シャンプーハット」へ。indigo la Endやゲスの極み乙女のフロントマン・川谷絵音が提供したセンチメンタルで不思議な世界観の楽曲を艷やかに歌い上げた。
大量の紙吹雪がドーーーン!
タフ民と紡いできた日々を肯定するように「だれかのために生きる今日を」を笑顔で歌ったTEAM SHACHI。メッセージを曲に込めて届けたあとは、プライベートレーベル・ワクワクレコーズの第1弾楽曲「舞頂破」で再びTEAM SHACHIらしい熱いステージを作り上げる。「舞頂破」の持つ和のエッセンスを引き継ぎ始まった「縁爛」では再びブラス民が合流。インディーズデビュー曲「恋人はスナイパー」に生のホーンが加わり、より豪華になったサウンドの中で、大人になった4人は中学生の頃から放ち続けてきた“夢と希望の弾丸”でタフ民を撃ち抜いた。
荘厳な雰囲気を持つ「HORIZON」では、ブラス民とバンド民による迫力ある演奏と、4人の説得力のある歌声で会場を圧倒。人気曲「Rocket Queen feat.MCU」には、坂本推しの“ラップ民”・MCU(KICK THE CAN CREW)がサプライズ登場し、ラップとダンスでTEAM SHACHIにエールを送る。ロックサウンドとメンバーのヒロイックな熱唱が光る「FANTASTIC MIRAI」に続いて披露された「ROSE FIGHTERS」では、メンバーが見えなくなるほど大量の紙吹雪がステージに降り注ぐ演出が。これはTEAM SHACHIとして走り出した2018年の最初のライブで大量のピンポン玉が降り注いだ演出のオマージュで、4人はステージを埋め尽くす紙吹雪を蹴散らしながら秋本がつづった歌詞を熱唱した。
あざやかに塗りつぶすのさ
チームしゃちほこ時代から数々の伝説のステージを彩ってきた人気曲「colors」は、4人を映し出すモノクロの映像が大サビでカラーになるという、2014年の日本武道館公演を思わせる演出の中で届けられ、タフ民の涙を誘う。その流れのまま4人は本日9月22日に配信とMカードでリリースされるラストEP「DERA Journey!!!!」より、「翔け抜けてスターマイン」を熱唱。“ドッカンドッカン”盛り上がり、笑顔で本編をフィニッシュした4人はステージを埋め尽くす紙吹雪を再確認し、「これは走馬灯に載りますね」「みんなおそろいの走馬灯です」と笑い合った。
MCU、ブラス民、バンド民を送り出して、「幸せだね」と穏やかな笑顔を見せたTEAM SHACHI。秋本はメンバーを代表して「ブラス民、バンド民、ラップ民、そしてタフ民……みんなで私たちのアイドルロードを作ってきてくれました。今ここにいない皆さんも、みんなから支えをいただいて、みんなと一緒にこの歴史を作れてとってもとってもうれしかったし、心から幸せ者だなと今日、ライブをしていて思いました。アイドルロードを作ってくれてありがとうございました」と挨拶し、4人はステージを下りた。
おそろいの走馬灯を……
“シャチコール”を受けて再登場したTEAM SHACHIはとっておきのキラーチューン「沸き曲」で会場を再沸騰させる。沸き立つタフ民を前に4人は今の思いを語り始めた。最初にマイクを取った坂本は「自分がどんな気持ちであったとしても、やっぱり“シャチの楽しさ”ってこれなんだなという気持ちを今日すごく味わいました。関東ラストワンマンでこの気持ちになれて、やっぱりシャチってすごいなって。寂しい気持ちももちろんあるけど、自分自身が無敵モードになれる。そんなグループに入れたことが幸せだなと本当に思いました」と力強く述べる。
咲良は「ちびっこの頃から首都の東京に来るようになって……東京ってすごくシビアで、ライバルもたくさんいて、そのライバルたちをたくさん見ている(アイドル)ファンの人たちがいっぱいいる中で、どうやったらシャチを好きになってもらえるのかなとか考えながらもう13年。こんなにたくさんのみんなが東京のラストライブに駆けつけてくれたっていうことはちゃんと戦えてたんだなって。自分たちが合ってたんだなと思えてすごくうれしかったです。いろんな方々が愛を持ってシャチを守ってきてくれたからこそ、私たちは安心していろんな活動ができて、こんな愛にあふれた空間ができた。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と本音を吐露。大黒は「私たちが、みんなが好きなシャチで今日を迎えられたことが一番の幸せ。もちろん名残惜しさもあるし、私たち自身もホロリとしちゃう瞬間もあるけど、まだあと3カ月あります。ラストライブは真冬の野外というスパルタで、それだけでもう伝説になりそうだけど……それまでの間、今までで一番濃い時間を過ごしたい。みんなで1つでも多く最高の思い出を作っておそろいの走馬灯を作りましょう」と本編で飛び出した“走馬灯”発言を回収した。
13年は「ちゃんと長かった」
最後にマイクを握った秋本はタフ民への感謝の思いを精一杯伝えたあと、「13年半以上ですか。振り返ってみると、短かったってことはなくて、ちゃんと長かったです。うまくいかなかったこと、悔しいなって思うこともあったけど、この人生において本当に心からがんばりたいって思えたのも、心から負けたくないって思えたのも、シャチが初めてでした。私たちもこれからもパフォーマンスや言葉で感謝の思いを伝えていきたいと思うので、ぜひ届く距離にいてもらえるとうれしいです」と目に涙をいっぱい浮かべながら語り、それを隠すように深々とお辞儀をする。「カッコいいよ! センター!」とメンバーから励まされ、持ち直した秋本は次の曲を紹介。そして4人は最後に「ちょっとだけ泣いちゃっても 今日は晴れ晴れ 笑顔でまた会えますように」という歌詞が今の心境にぴったりな新曲「晴れ晴れ」をタフ民にプレゼントして、名残惜しそうにステージを去った。
TEAM SHACHIの“アイドルロード”は残すところあと3カ月。11月9日には愛知・COMTEC PORTBASEにてばってん少女隊、いぎなり東北産と競演する「スタプラローカリズム vol.5」、11月30日には神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールにて私立恵比寿中学とのツーマンライブ「俺のえびシャチライブ~THE FINAL~」に出演する。そして12月13日に愛知・名古屋城二の丸広場でラストライブ「TEAM SHACHI 最終SHOW ~晴れ晴れ~」を行い、その歴史に幕を閉じる。
この記事の画像(全60件)
セットリスト
「TEAM SHACHI 最終SHOW~アイドルロード~:君のココロの伝説になりたい!」2025年9月21日 立川ステージガーデン
オープニングアクト:ももいろクローバーZ
01. Z伝説 ~ファンファーレは止まらない~02. 雨天決行(TEAM SHACHIカバー)
TEAM SHACHI
00. OVERTURE~ORCA~01. DREAMER02. 抱きしめてアンセム03. START04. かなた05. あなたのトリコ~究極の愛~06. カントリーガール07. 愛のニルバーナ08. のんあるすいけん feat.炒飯09. アサガオ10. プロフェッショナル思春期11. エンジョイ人生12. 首都移転計画(short ver.)13. いいくらし(short ver.)14. シャンプーハット15. だれかのために生きる今日を~Performance Bridge~16. 舞頂破17. 縁爛18. 恋人はスナイパー19. HORIZON20. Rocket Queen feat.MCU21. FANTASTIC MIRAI22. ROSE FIGHTERS23. colors24. 翔け抜けてスターマイン<アンコール>25. 沸き曲
26. 晴れ晴れ