『シルバニアファミリー』黒目と“無表情”に隠された秘密!40年愛され続ける秘訣をブランディング担当者が明かす(めざましmedia)
1985年3月に日本で誕生した『シルバニアファミリー』。 動物の家族たちの世界を表現したドールハウスシリーズで、かわいらしさと細かなディティールにこだわったデザインの人形やお家、家具などで思い思いに遊べることから、幅広い世代の人を虜にしてきました。 当初は、子どものおもちゃとしてのドールハウス カテゴリーが日本の玩具市場でほぼない状態だったそう。そうした中で開発者が、ヨーロッパの文化として親しまれていた“ドールハウス遊び”にインスピレーションを受け、気軽に遊べるものにしたいという思いから、子どもになじみのある動物の人形にして誕生したのが『シルバニアファミリー』です。 発売当初は、ウサギやネズミなどのファミリー人形9種類と、ハウスが1種類、家具11種類のラインナップで登場。 初代ハウスの「赤い三角屋根のお家」とブラウンウサギファミリーを見てみると、2階建ての家の内装や人形が身に付けているお洋服も素朴でシンプルな印象を受けます。 『シルバニアファミリー』のブランディング担当の前 美里さんに話しを聞くと、シンプルなデザインには、温かみのあるカントリースタイルをイメージし、子どもっぽくなりすぎないようにする意図があったんだそう。
また、一番最初に発売されたファミリーは動物の種類によって、クマが少し大きかったり、ネズミは小さかったりと、実際の動物たちのサイズをイメージして人形の大きさも多少変えていたんだといいます。 しかし、着せ替えのお洋服を発売した際、動物でサイズが違うと服を共有することができずに少々不便だったんだとか。 そこから、ウサギファミリーを基本に身長や体型は、お父さん、お母さん、子ども、赤ちゃんでサイズ感を統一。 ただ、それぞれの動物らしさを表現するため、例えばクマはお腹周りを少し大きくしているそうで、実際に人形を見てみると、確かにお腹周り部分のお洋服が、少しパツパツしているように見えて、なんともキュートです。 一方で、ネコはお腹周りがシュッとしていて、お洋服を着ていれば目立つ部分ではありませんが、細かな部分までこだわっている事が伝わりますね。 ちなみに、あまり大げさにするのではなく、お洋服が共有できる範囲内でボディサイズを変えているということです。 そして驚くのが、これら動物たちのお洋服は機械ではなく人がミシンで手作業で作っているということ! 細部までこだわるためということで、シカファミリーを見ると、肩部分のレースやお腹部分のリボンなど、一つ一つ手作業で付けられているということで、ぜひファッションにも注目してみてください。 愛らしい人形で、見る人をとりこにしてきた『シルバニアファミリー』 40年変わらず愛され続ける理由は、黒目と“無表情”にある!?その顔に隠された秘密を明かしてくれました。 手のひらサイズの人形や、ハイクオリティなお家と家具を展開する玩具シリーズ『シルバニアファミリー』。 登場から40周年を迎える今でも人気な理由を聞くと、人形の黒目と“無表情”に隠された秘密がありました。
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衣装については、「昔は着用している衣装のスカート部分にデザインとしてエプロンをつけていました。ただ、お母さんがエプロンを着けていることが一般的だった時代から40年の月日の中で多様な世の中に変わり、“お母さんが家事をしなきゃいけない”といった固定されたイメージを視覚的に与え過ぎないよう意識しております」(前さん)と話します。 実際に初代と現在の服装を見比べてみると・・・ エプロンがとられ、リボンの装飾が施されています。 また、当初は黄色の花柄ワンピースのシンプルな装いでしたが、今ではトップスとスカートの切り替えや、スカートの裾のトリミングやレースの装飾があったりと華やかに変化。 技術の向上に伴い、よりこだわったデザインの洋服が増えています。
そして、日々の生活の中で欠かせない家電。 “子どもが遊びの中で生活を再現しやすいようにしたい”という思いから家電も進化をしています。 シルバニアファミリーの世界では基本的に、“今よりも少し古い時代を表現”しているんだそうで、1987年に発売されたのは、洗濯機ではなく洗濯板や物干しざおのセットでした。 その後、1997年には、二層式洗濯機へと変化。 そして2018年には、くるくる回るドラム式洗濯機とハンディタイプのそうじ機とのセットが登場しています。 時代の流れと共に、シルバニアファミリーの世界でも変化する家電。 どのようにして改良を決めているのでしょうか。 「あまり古すぎると、お子様たちがどのようにして遊べばいいのか分からなくて、それはそれで遊びが止まってしまうので、古くなりすぎず、保護者の方に使い方を聞いたら分かる程度の古さにするということです」(前さん)と話します。 ただ、改良を進める中でもシルバニアファミリーの世界に馴染むデザインを心がけているということです。 シルバニアファミリーらしさにこだわりつつも、変化するべきところは柔軟に変えていく。 その柔軟な考えが長年にわたって愛されている秘訣なのかもしれません。