赤沢再生相、来週訪米を調整 3回目の関税交渉=関係筋
[東京 15日 ロイター] - 赤沢亮正経済再生相が3回目の日米関税交渉を行うため、来週後半にも訪米を検討していることが分かった。事情を知る政府関係者2人が明らかにした。
日本側が求める自動車・同部品の関税撤廃を巡って米国との溝はなお深いと政府や与党の関係者はみており、前出の関係者の1人によると、両政府間で続けている事務レベルの交渉の進ちょくをにらみながら調整を進める。
同関係者によると、日本側は米国産のトウモロコシや大豆の輸入拡大、トランプ政権が再生を目指す造船産業への協力、日本の自動車を輸入する際の検査など非関税障壁の見直しなどを交渉カードとして検討。米側の譲歩を引き出したい考え。一時期政府内に浮上していたコメの輸入拡大は、自民党の森山裕幹事長をはじめとする与党内で反対が根強い。
今月1日にワシントンで開いた2回目の閣僚交渉でも、赤沢経済再生相はベセント米財務長官に自動車・同部品にかかる25%の関税見直しを求めた。しかし、一致点を見出すことはできず、まずは事務レベルで協議をし、5月中旬以降に閣僚間で集中的に交渉することを決めた。
赤沢経済再生相は14日の記者会見で、「米国の自動車・同部品・鉄鋼・アルミ関税、相互関税など一連の関税措置は極めて遺憾であり、見直しを求めていく」と改めて語った。
トランプ政権の関税を巡って日本は各国に先駆けて交渉を始めたが、最初に合意したのは英国だった。中国も12日、相互に発動した高関税を引き下げることで合意した。
関税による経済への影響を懸念して下落していた世界の株式市場は、米中の合意を受けて急速に反転。前出と別の日本政府関係者は13日、「日本の優先順位が下がる懸念がある」との見方を示した。
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