「フロントが開かない」「案内もない」福島・天栄の人気コテージ火災、宿泊客が施設の避難誘導に不満<読者とともに 特別報道室>

 福島県天栄村の複合型レジャー施設「エンゼルフォレスト白河高原」で10月、コテージ1棟が全焼した火災で、火元の隣のコテージに宿泊した神奈川県の男性(54)が出火当時の施設側の対応への不満を「読者とともに 特別報道室」に寄せた。男性は「危機管理の体制に不安を感じた」と話す一方、施設側は「対応に問題はなかった」と強調する。 【一覧表付き】岡島豪郎が引退、阿部寿樹は中日に復帰 東北楽天2025年の引退、退団選手まとめ ■「あー」「どうしよう」と叫ぶ男性  火災は10月30日未明に発生。コテージ1棟と乗用車1台が全焼し、焼け跡から宿泊客の女性(27)の遺体が見つかった。同宿の30代の夫は軽いやけど。出火原因は「現在も調査中」(福島県警)だ。 屋根や窓から炎  男性によると、就寝中の午前1時20分ごろ火災に気付いた妻に起こされ、「あー」「どうしよう」と叫ぶ他の男性の声が聞こえた。窓の外を見ると火元のコテージが火に包まれ、屋根や窓から炎が噴き出していた。  不満を寄せた男性は、妻や犬と共に車で数百メートル離れたフロント棟近くの駐車場に避難。消防や警察からの聴取などに対応するため、現場との行き来を徒歩で繰り返した。午前3時ごろ、他の宿泊客らが「フロントが開かない」「案内もない」と話すのを聞いた。  男性夫妻のコテージは火元と同じタイプで、間取りの確認のため消防、警察関係者の出入りが続き、寝られる状態になかった。男性は午前4時半ごろ、フロントで代替棟の提供を依頼し、鍵を渡された。  男性は「出火後しばらく施設側からの避難誘導などはなく、避難を呼びかけるアナウンスは数時間後に聞こえた。火の勢いは強く、あの晩、強風が吹いていたら自分たちの棟に延焼していたと思う」と語る。  火元の夫婦とは前日の夕方ごろ、自棟のテラスで会話を交わした。亡くなった女性は小型犬1頭を抱いていた。「自家用車の車種が同じことなどで会話が弾んだ。だから余計ショックだった」と男性は振り返る。 ■宿直担当は従業員1人か  施設の運営会社は11月10日付でホームページに、火災発生のおわびや遺族へのお悔やみと共に「消防と警察の現場検証で火災は事故の可能性が高く、設備が原因とは認められないと報告を受けた」旨を最終報告として掲載した。広報担当者は取材に「避難誘導や館内放送は実施した。混乱した状況の中で聞こえなかった方がいたかもしれない」と説明する。  複数の関係者の話から、出火当夜の宿直担当は従業員1人だったとみられる。施設は200万平方メートルの敷地に、さまざまなタイプのコテージ数十棟が立ち並ぶ。出火後に多くの業務が重なり、手が回らない部分が生じた可能性はある。  総務省消防庁は3月、従業員が常駐しなかったり省人化されたりした宿泊施設の防火安全対策指針を策定し、業界団体や都道府県などに通知した。  指針はコテージなどが点在する小規模独立型の施設も含め、(1)火災発生時の行動に関する情報などは利用開始時にあらゆる手段で周知(2)速やかに避難誘導できるよう早期に駆け付ける体制の構築-などを施設側に求めている。(若林雅人)

河北新報

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