「もう差し出せるものが何もない」相次ぐ万博工事費未払い問題 「被害者の会」が国交省に“未払い発生時に勧告出すこと”など求め直談判
万博の海外パビリオンで相次ぐ工事費用の未払い問題。業者らが国に直談判です。 (マルタ館で未払い 被害者の会メンバー)「本当に数えきれないくらいたくさんの人たちがいま現在も、出口が見えない暗闇の中に取り残されたまま」 大阪・関西万博のパビリオン建設で工事費の未払いを訴える業者が7月16日、国交省などに支援を求め申し入れを行いました。 万博の海外パビリオンをめぐっては、これまでにアメリカやアンゴラ、マルタなど8か国の工事に関わった下請け業者などが工事費用の未払いを訴えています。 (アメリカ館 3次下請け業者 6月)「万博は国の仕事だから間違いないというのがあった。苦しいです、非常に」 アメリカ館の3次下請けとして内装工事などに携わった業者。発注元からの支払いが2月末を最後に途絶え、未払い額は約2800万円(7月上旬時点)にのぼると話します。 一部でも払ってほしいと交渉を続ける最中、発注元が破産。ついに金の工面ができなくなり… (アメリカ館 3次下請け業者)「子どもに『払えないから』と大学を辞めてもらって。ごめんなって、辞めてもらって。息子は『じゃあ俺働きに行くよ』って言ってくれて、悔しいですよね」 「万博の華」とも言われた海外パビリオンで相次ぐ未払い問題。先が見えない状況の中、アンゴラ館の工事で未払いを訴える業者らが「被害者の会」を結成。募金の呼びかけや国や府などに救済を求める署名活動などを続けています。 そして16日、「被害者の会」は国交省の担当者らと面談。下請け業者への未払いが発生した際に、元請けがそれを立て替えるよう国が勧告を出すことなどを求めました。 (マルタ館で未払い 被害者の会メンバー)「本当に残っているもの、もう差し出せるものが何もない状態です。私たちに残されたものはもう本当に自分の命、それしかないです」 (アメリカ館で未払い 被害者の会メンバー)「逆にこっち側の立場だったら何をお願いしますか?本当につらいですよ。今の状況」
申し入れを受け国交省は、「各省庁や都道府県と今まで以上に連携したい」とコメントしています。