モルガン・スタンレー、株式トレーディング収入急増-混乱が追い風

Hannah Levitt

  • 株式トレーディング収入は前年同期比23%増、予想上回る
  • ウェルスマネジメント部門、資金流入額も純収入も予想以上

モルガン・スタンレーの4-6月(第2四半期)は、株式トレーディング収入が同四半期として過去最高となった。トランプ米大統領の政策による市場のボラティリティーが追い風となり、米大手銀行が恩恵を受ける状況が続いている。

  16日の決算発表によると、第2四半期の株式トレーディング収入は前年同期比で23%増え37億2000万ドル(約5500億円)となった。アナリスト予想も上回った。

  注目されているウェルスマネジメント部門では、資金純流入額が592億ドルに達し、こちらも市場予想を上回った。モルガン・スタンレーは2023年前半に、今後おおむね3年ごとに1兆ドルを新たに取り込むという目標を掲げた。

  投資銀行部門の手数料収入は5%減の15億4000万ドル。減少幅はアナリスト予想よりも小さかった。株式引き受け業務の収入が42%増加したことが下支えとなった。一方で、M&A(企業の合併・買収)助言と債券引き受けからの収入は前年同期比で減少し、市場予想も下回った。

  テッド・ピック最高経営責任者(CEO)は6月のカンファレンスで投資銀行業務について「序盤は大きく足踏みしたが、現在は回復基調にある」と述べていた。

  ウェルスマネジメント部門の第2四半期純収入は77億6000万ドルで、こちらもアナリスト予想を上回った。

  非金利費用は120億ドル近くに達し、市場予想の115億ドルを上回った。コスト抑制の一環として、同社は3月に従業員約2000人を削減していた。

原題:Morgan Stanley Stock Traders Deliver Windfall on Tariff Turmoil(抜粋)

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