アルファベット、売上高が市場予想上回る-グーグル検索広告好調

米グーグルの親会社アルファベットが24日発表した1-3月(第1四半期)決算では、売上高と利益がアナリスト予想を上回った。検索広告事業が引き続き好調だった。

  発表資料によると、1-3月期の売上高はパートナーへの支払いを除いたベースで765億ドル(約11兆円)。1株利益は2.81ドル。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は、売上高が754億ドル。1株利益は2.01ドルだった。

  決算発表を受け、同社の株価は時間外取引で一時5%余り上昇した。

  人工知能(AI)競争の激化でアルファベットやライバル企業はインフラ、研究開発、人材獲得の面で大規模な投資に乗り出している。グーグルはAIスタートアップによるクラウドサービスやビジネスツール支出から恩恵を受けている一方、グーグル検索の代替手段として認識されつつある人気の対話型AIチャットボットに対抗するため急ピッチで対応策を模索している。

  グーグルの最初の対応策は、検索機能に導入された「AIによる概要」と「AIモード」だ。生成AIが要約した回答をグーグルのウェブリンクの前に表示する仕組みで、その成果はまちまちだが、オープンウェブ上の独立系ウェブサイトへのトラフィックを大幅に減少させている。

  グーグル・クラウド事業の営業利益は21億8000万ドルでアナリスト予想の19億4000万ドルを上回ったが、売上高は市場予想にわずかに届かなかった。売上高の伸びが鈍化する中でもクラウド事業の収益性が向上している可能性が示唆された。

  グーグル・クラウドはアマゾン・ドットコムとマイクロソフトのサービスに次ぐ業界3位に位置しているが、アルファベットの最も重要な成長分野の一つ。アナト・アシュケナージ最高財務責任者(CFO)によると、同社は2四半期連続で顧客の需要がデータセンター容量を上回った。

  こうした背景から同社はAI分野への大規模投資を継続し、サーバーとデータセンター関連の支出を増やしている。1-3月期の設備投資は172億ドルと、アナリスト予想の171億ドルをやや上回った。

  検索広告収入は507億ドルとなり、アナリスト予想の503億ドルを上回った。経営陣は決算発表後の投資家向け電話会見で、検索広告がグーグル広告事業の中核であり、保険、小売り、医療、旅行業界が伸びをけん引したと説明した。

  グーグルの動画ストリーミング事業ユーチューブの売上高は89億2000万ドルで、市場予想の89億4000万ドルにわずかに届かなかった。ユーチューブは広告収入が売上高の大部分を占めるが、定額制のサブスクリプションサービスは伸びていると経営陣は電話会見で明らかにした。

  アルファベットの取締役会は、700億ドル相当の自社株買い戻しを承認した。配当は5%引き上げ1株当たり21セントとした。

原題:Alphabet Sales Beat Estimates on Google Search Advertising (3) (抜粋)

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