角田裕毅、メキシコシティGPは不運で無得点も「ここ最近で一番良い週末」とメキーズ代表。来季ドライバー決定は“最終戦前”に後ろ倒し

 F1第20戦メキシコシティGPで、角田裕毅(レッドブル)は11位に終わりポイント獲得を逃した。ただいくつかの不運がなければ入賞の可能性が高かったレースであり、レッドブルのローレン・メキーズ代表もそういった点を鑑みて角田のパフォーマンスを高く評価した。

 角田は10番グリッドから決勝レースをスタートすると、オープニングラップで8番手まで上がった。そこからミディアムタイヤ→ソフトタイヤへと繋ぐ1ストップ作戦を採ったが、ピットストップの際にリヤのジャッキアップがうまくいかず10秒以上タイムロスしてしまい、大きく順位を下げた。結果的に入賞まで一歩届かない11位……角田にとっては悔しい1戦となった。

 レース後に記者から、角田は結果は伴わずとも内容的には良いレースをしていたことについて質問を受けたメキーズ代表は、その指摘に同意。このパフォーマンスが来季以降のシートを繋ぎ止めることに繋がるのかという問いについても回答した。

「あなたの言う通りだと思う。ユウキはここ最近で一番良い週末を過ごした。これまでも何度か同じことを言ってきたような気がするが、実際に事実なんだ」

 メキーズ代表はそう語る。

「予選でもマックス(フェルスタッペン)とコンマ2秒差と、非常に接近した。今日のレースでも、ファーストスティントは非常に力強い走りをしていた。同じミディアムを履くマックスとの差もコンマ数秒ほどだった」

「その後のことは……まず我々の立場から言うと、彼を長く引っ張らせてしまった。これは我々チームとして(フェルスタッペンの援護という意味で)メリットがあるからだった。そしてピットストップでもやや時間がかかってしまった。その結果、本来なら彼が獲得できたはずのポイントをいくつか逃してしまった」

「そういったこともあって、我々は(来季の)ドライバーを決定するまでに少し時間をかけたいと思っている」

「ユウキは着実に進歩している。他の子たちも同様だ。だから決断を急ぐ理由はない。だからもう少し時間をかけて判断する」

 レッドブル陣営は元々、2026年のドライバーラインアップについてメキシコシティGP後に決定する可能性を示唆していた。しかしながら、ここへきてそのトーンは変化しており、メキーズ代表やレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコも、決断を遅らせる可能性について口にするようになっていた。

 来季レッドブルでフェルスタッペンのチームメイトになるドライバー、そして姉妹チームのレーシングブルズで戦うふたりのドライバーが未決定だが、その3席を争うのは角田と、現レーシングブルズ所属のアイザック・ハジャー、リアム・ローソン、そしてF2参戦中のアービッド・リンドブラッドの4人。これまでは、ハジャーのレッドブル昇格、リンドブラッドのレーシングブルズ加入が既定路線で、残り1席を角田とローソンで争っていると言われてきた。

 ドライバーたちに早く来季のことを知らせたい一方で、彼らの集中力を削ぎたくないという面もあるなど、チームにとってドライバー選定は周りから見えている以上に複雑なものなのかと問われたメキーズ代表は「まさにその通りだ」と同意する。

「まさにあなたの考えている通りで、決定が遅れている一因には“集中”という側面もある。今混乱を招く必要はないんだ」

「ただ幸運なことに、我々は自分たちが必要とする選択を自分たちで決定できる立場にある」

 では、決定のタイミングはいつとなるのか? マルコはmotorsport.comの取材に対し、「我々は決断のタイミングを“シーズン終了まで”に延期した。チャンピオン争いに集中するためだ」と話していたが、メキーズ代表も同様の回答をした。

 ドライバー決定が最終戦アブダビGPの後まで持ち越される可能性もあるのかという質問に、彼はこう答えた。

「いや、その前に行なわれるだろう」

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