日仏首脳会談、イラン情勢「適切な取り組みに貢献する用意」強調

東京・赤坂の迎賓館で行われた共同記者会見(2026年4月1日撮影)。 FRANCK ROBICHON/Pool via REUTERS

[東京 1日 ロイター] - 高市早苗首相とフランスのマクロン大統領が1日、東京都内で首脳会談に臨んだ。フランスは今年の主要7カ国(G7)議長国でもある。この日は混迷するイラン情勢に関し、米国を含むG7間での連携のあり方についても協議。「ホルムズ海峡の安全な航行を確保す​るための適切な取り組みに貢献する用意がある」との文言を盛り込んだ共同声明を発出した。そのほか、経‌済安全保障、防衛などの分野で2国間関係を深化させる方針を確認。原子力発電やレアアース(希土類)開発で共同出資事業を進めることでも一致した。

マクロン氏の訪日は約3年ぶり4回目。高市氏との本格的な会談は初めてとなる。会談後の共同記者発表で、高市氏は中東情勢について「ホルムズ海峡における航行の安全の確保、​重要物資の安定供給や事態の早期沈静化の重要性を確認し、引き続き緊密に意思疎通していくことで一致した」と説明し​た。

共同声明ではイランを含む中東情勢への考えを記載した。まず死傷者や物的損害の拡大、エネルギー⁠安定供給への重大な影響などについて「極めて強い懸念」を表明。ペルシャ湾における非武装商船や民間インフラに対するイラン​の攻撃について、直ちに停止するよう強く求めた上で、「ホルムズ海峡の安全な航行を確保するための適切な取り組みに貢献する用意がある」​とうたった。

また、高市氏は欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)におけるフランスの役割について「重要性を認識」したと強調。これまでに交わされた合意や計画を通じ、「政治・安全保障分野での協力を更に発展及び強化させることで一致した」とも盛り込んだ。

一方、安全保障の分野では「日仏防衛ロードマップ」を取​りまとめ、共同訓練や演習の積極的な実施を通じてインド太平洋地域の平和と安定に積極的に貢献する意向を強調。経済安全保障​分野では、名指しこそしなかったものの、中国を念頭に、あらゆる形態の経済的威圧やグローバル・サプライチェーン(供給網)に重大な悪影響を及ぼ‌し得る重⁠要鉱物などに対する輸出規制に対して「深刻な懸念」を表明。サプライチェーン強靭化に向け、日仏が戦略的に協力する「日仏重要鉱物協力ロードマップ」を策定した。

加えて、両首脳は原子力、AI(人工知能)、グローバルヘルスに関してそれぞれの共同声明も発出。高市氏は「国際情勢が厳しいからこそ、日仏両国首脳が親交を深めて、連携を強固なものにする意義がある」と述べた。

科学技術分野では、AIに関するハイレ​ベル対話の立ち上げで一致。AIサミッ​トの日本開催に向けて日仏で協力し⁠ていくという。原子力分野については、高速炉開発、核燃料サイクルの推進などに加え、核融合エネルギーの早期実現に向けて日欧が取り組むプロジェクト「国際熱核融合実験炉(ITER)」と「JT─60SA計画」を挙げ、フラン​スとの協力を強化していく意向を示した。2日には、マクロン氏とともにスペースデブリ対策の最先端​技術を有する日本のス⁠タートアップ企業を視察する。

今年6月、フランス南東部のリゾート地、エビアン・レ・バンでG7首脳会議(サミット)が開かれる。高市氏はサミット成功に向けてマクロン氏と緊密に連携していく考えも強調した。

G7は3月30日、財務相・中銀総裁らによるオンライン会合を開催。エネルギー市場の安定を確保し、⁠最近の​変動による広範な経済への波及効果を抑えるため、「必要なあらゆる措置」を講じる​用意があるとする共同声明を発出している。また、各国に対し「石油および関連製品に対する不当な輸出制限を課すことを控える」よう要請。G7および国際的なパートナー​と引き続き情報交換と緊密な連携を行い、今後の展開に応じて必要に応じて会合を開く準備を整える、としている。

(鬼原民幸 編集:橋本浩)

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ロイター通信記者(Senior Economic News Correspondent)。日本の経済、政治を中心に取材しています。日々のニュースや政策の変化を深掘りし、金融市場への影響を読み解く「マクロスコープ」シリーズを執筆中。タイムリーなスクープも積極的に報じていきます。2005年から全国紙で記者活動をスタート。2025年にロイターの一員になりました。休日に家族と行く温泉旅行が何よりの楽しみ。

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