三菱重の今期、ガスタービンや防衛好調で最高益に 受注高は16%減
5月9日、三菱重工業は2026年3月期の連結事業利益(国際会計基準)が前年比9.6%増の4200億円になる見通しと発表した。IBESがまとめたアナリスト13人の予想平均4536億円を下回った。写真は同社のロゴ。2022年12月、都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 9日 ロイター] - 三菱重工業(7011.T), opens new tabは9日、2026年3月期の連結事業利益(国際会計基準)が前年比9.6%増の4200億円になる見通しと発表した。最高益を更新する。10兆円を超えて積み上がった受注残を消化し、ガスタービンなどのエナジー事業や防衛・宇宙事業を中心に売り上げ増と利益率の改善を見込む。
IBESがまとめたアナリスト13人の予想平均4536億円を下回った。米国の関税による影響は業績予想に織り込まなかった。米国で生産する製品に使う部品の輸入などはコスト増の影響を受けるが、価格転嫁で対応する。
将来の売上高につながる受注高は、同16.5%減の5兆9000億円を見込む。人工知能(AI)の普及で拡大する発電需要や、日本政府の防衛力増強計画などを背景に、前年度は過去最高の7兆円を超えていた。今年度はエナジー、防衛・宇宙、製鉄機械などのプラント・インフラ事業で減るとみている。
会見した伊藤栄作社長は「受注残が10兆円を超えている。計画通りの納期とコストで納品する年となる」とした上で、「事業環境の変化に備え、変化の予兆への即応力を強化する」と語った。
年間配当予想は1株24円と、前年から1円増額する。年間の為替レートは1ドル=145円(前年実績152.2円)で設定した。
25年3月期の連結事業利益は、前年比35.6%増の3831億円と過去最高だった。ガスタービンやミサイルなど高水準で推移する受注をこなし、増収増益につながった。年間配当は従来予想から1円増やし、1株23円とした。
伊藤社長は日米両政府の間で浮上する米国への造船技術協力について「要求があればメーカーとしてできることは何かを検討して対応したい」と話した。
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