スイッチ2版『ブレワイ』『ティアキン』の限定要素「ZELDA NOTES」って結局何ができるの?常にスマホを傍らに置く奇妙な『ゼルダ』体験―ファン胸熱な要素も
ニンテンドースイッチ向けにリリースされていたタイトルの有料アップグレードとなる「Nintendo Switch 2 Edition」。なかでも『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』および『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のスイッチ2エディションは、初代スイッチの目玉となるAAAタイトルだっただけあり注目度は高い印象です。4K60fpsへの対応だけでなく、グラフィックにも多少手が加わっているため、これだけでも嬉しい人は多いと思いますが、本作のNintendo Switch 2 Editionにはもう一つ重要な追加要素があります。 【画像全11枚】
それは、「ZELDA NOTES」と呼ばれる新たな機能です。お手持ちのスマートフォンで「Nintendo Switch App」を開いたら、中にある「ZELDA NOTES」をタップ。すると、機能の一覧がズラッと表示されます。
なになに、「声の記憶」に「おしえてナビ」、「今日の運試し」に「QRブループリント」etc……? スマホでこれらを駆使して『ゼルダ』を遊ぶって、どういう体験なんでしょうか?いまいちイメージしづらいですが……とにかく触ってみましょう。
「ZELDA NOTES」を利用するには、『ブレス オブ ザ ワイルド』または『ティアーズ オブ ザ キングダム』を起動し、オプションから「ZELDA NOTESの利用」を有効化する必要があります。
有効化すると、そのゲームのプレイ状況がリアルタイムに「ZELDA NOTES」に送信され、さまざまな機能が利用できるようになります。機能によっては、「ZELDA NOTES」側からセーブデータに対して情報を送信することも可能です。
まずは、「ZELDA NOTES」の最大の目玉である「声の記憶」からみていきましょう。これは、この世界の様々な場所に点在する、いわゆるロアを集めるような機能であり、各キャラクターがフルボイスでちょっとしたエピソードを話してくれます。
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これを利用するには、「ZELDA NOTES」内の「声の記憶」(もしくは後述する「おしえてナビ」)を起動しておく必要があります。どちらかの『ゼルダ』を起動した状態で「声の記憶」を起動すると、ゲームと連動され、「声の記憶を探しています」と表示されます。その状態で、声の記憶がある付近にゲーム内で近づくと、スマートフォン上の「声の記憶」のセンサーが反応します。「ほこらセンサー」のような感じで声の記憶の位置を探り当てるイメージで特定の場所にたどり着くと、スマートフォン上で「声の記憶」が再生されます。
ためしに、『ブレス オブ ザ ワイルド』を起動した状態で、アッカレ地方にある力の泉に赴いてみます。「声の記憶」は、こういったストーリー上で重要だったロケーションや、目立ったランドマークにあることが多いです。
力の泉の前の祭壇に立つと、ゼルダが『ブレス オブ ザ ワイルド』世界における「三大神」に関する激アツなロアを話しだします。
力の女神 ディン様が祀られている泉。(中略)力は魔王の象徴だとしてその信仰は薄れていったのだという。
これは、シリーズおなじみの「トライフォース」とも関連する話です。トライフォースのそれぞれの三角形は上が「力のトライフォース」、左下が「知恵のトライフォース」、右下が「勇気のトライフォース」と呼ばれているのですが、これは三大神である「ディン」、「ネール」、「フロル」ともそれぞれ関連付いています。ガノンドロフは「力のトライフォース」を持つキャラクターなので、力の女神であるディンと関連付けることができますが、そのせいで『ブレス オブ ザ ワイルド』の世界では信仰が薄れてしまっているようです。いきなりヤベー設定きたな。
この他にも、「声の記憶」は、今まで明かされていなかった謎が明かされたり、バックストーリーが描かれたり、キャラの掘り下げが行われたりと激アツなものが多いです。『ブレス オブ ザ ワイルド』と『ティアーズ オブ ザ キングダム』でも当然内容は異なっており、特にゼルダの「声の記憶」に関しては、続編で同じロケーションに赴くと、時間の経過によって少し進展があったり、ゼルダの心境に変化が生まれていたりといったこともありました。
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こういった撮り下ろしフルボイスの「声の記憶」は、おそらく400件以上にのぼります。「気合い入りすぎだろ」と思うのと同時に、「なんでこれゲーム内に入れなかったんだ」という気持ちも拭えない。リソースのかけ方が謎です。
「おしえてナビ」も、同様にゲーム内のリアルタイムな位置情報を参照しながら遊ぶ機能です。この機能では、ゲーム内の収集要素の場所を「音声案内」で教えてくれます。
たとえば、周辺で未入手の「コログの実」を見つけたいと思ったら、「おしえてナビ」の「目的地を選択」から「コログの実」を有効にします。すると、「おしえてナビ」内のマップにコログの実がズラッと表示されます。
その中から一つ選択し、「音声案内を開始」をすると、「ここから南東、まだ遠いようです。」といった音声が流れ始めます。案内に従ってゲーム内で移動を続けていると、「上の方です。」、「かなり近いようです。」というように細かな指示もはじまります。たまに「おしえてナビ」内のマップ上の現在位置も確認しつつ、目的地にたどり着きました。
「コログの実」以外にも、「カバンダ」の看板立ての場所や、井戸の場所といったやり込み要素に関連するもののほかに、各ボスの居場所や「声の記憶」の場所も案内することができます。
「攻略サイトとにらめっこしながら遊ぶぐらいなら我々の作った方法で遊んでよ」と言わんばかりの手厚い攻略のサポートである「おしえてナビ」。ともすれば大作ゲームのサイドコンテンツを揶揄する言葉としていわれる「プチプチつぶし」のような体験になりそうですが、単にゲーム内でクエストマーカーがでている場所に行くのとは異なり、音声を頼りに目的地を見つけ出すことになるので、少し違った遊びとして成立していると感じました。
ほかに、個人的に面白いと思ったのは、『ティアーズ オブ ザ キングダム』限定の「QRブループリント」機能。本作はウルトラハンドを駆使して様々なものを組み立てることができるゲームですが、「QRブループリント」では、作ったものをQRコードにして配布したり、他の人のQRコードを読み取って再現したりすることができます。
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筆者も、SNS上で話題になっていたものをダウンロードしてみたり、友達の作った自信作をもらって実際にゲーム内で使ってみたりしました。本作のウルトラハンドでできる制作物には無限の可能性があり、本当にさまざまなユーザーが便利なものからかっこいいもの、ネタに特化したものまでいろいろと作り出しているので、それを簡単に試せるのはかなり楽しい。正直これに関しては、原作が発売された直後、話題性が一番強かった当時にこそあってほしかった機能だなと思います。
どうせなので、筆者が作ったブループリントも共有しましょう。これは「追跡台車」に「火龍の頭」を付けて周囲の敵を燃やして攻撃し、「雷龍の頭」に対して「放水柱」を向けて水を放射する機構をあわせることで、周囲の敵を電撃で動けなくし続けるという兵器です。敵の拠点で使ってみてくださいね。
そのほかにも、「ZELDA NOTES」にはいろいろな機能があります。「今日の運試し」は、1日1回、ゲーム内で様々な効果(武器の耐久度回復や、料理の効果、バッテリーの上限上昇など)を発動できるおみくじのような機能。「マイプロフィール」では、さまざまな達成項目が用意されたいわゆる実績機能のようなものが見れます。「みんなのプレイデータ」では自分のプレイ記録と世界のプレイ状況を比較するなんてことも。
しかし、やはりあくまで目玉は「声の記憶」と「おしえてナビ」、「QRブループリント」の3つであると言えます。
正直、「ZELDA NOTES」のほとんどの機能はゲーム側に追加要素として入っていてもなんら問題がないもののように思いますし、その上で「Nintendo Switch 2 Edition」として販売したほうが訴求力があったのでは?という気持ちは拭えません。
しかし、『ゼルダ』を遊びながら傍らに常にスマートフォンを置いておくことになる体験は、たしかに新鮮ではあります。なにより「声の記憶」が熱いものとなっているので、スイッチ2を手に入れたなら一度は試してみる価値はあるかもしれません。
Game*Spark お茶缶