中国とインド、国境貿易の再開協議-5年ぶり正常化へ一歩
中国とインドは、約5年ぶりとなる国境での地場産品貿易再開に向けた協議を進めていると、事情に詳しいインド当局者が述べた。長年にわたる両国の緊張緩和に向けた、緩やかながら着実な一歩となる。
両国は、共有する国境の指定拠点を通じた貿易の再開を提案しており、現在その実現に向けて二国間協議が行われているという。協議が非公開だとして関係者が匿名を条件に語った。
中国外務省は14日、ブルームバーグ・ニュースのコメント要請に対し、この件について同国として「インドとの意思疎通と調整を強化する用意がある」と指摘。「中印間の国境貿易は長年にわたり、両国の国境地域に暮らす住民の生活向上に重要な役割を果たしてきた」とコメントした。
インド外務省は追加情報の提供を求める電子メールに回答していない。
両国は30年余りにわたり、ヒマラヤ山脈に沿った全長3488キロに及ぶ国境線に設けられた三つの指定拠点を通じて、香辛料、カーペット、木製家具、家畜の飼料、陶器、薬草、電気製品、羊毛などの地場産品を取引してきた。取引額は比較的小さく、直近の政府統計によれば2017-18年度で316万ドル(約4億6300万円)にとどまっている。
こうした貿易拠点は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中に閉鎖された。同時期にはヒマラヤでの国境衝突によりインド兵20人、中国兵少なくとも4人が死亡し、両国関係が急速に悪化した。
今回の貿易再開計画は、両国が国境の緊張緩和に向けて昨年に講じた措置に続き、関係正常化が徐々に進んでいることを示す兆候と考えられる。
ブルームバーグは12日、両国が政治関係の修復を目指し、来月にも直行便の運航を再開する見通しと報じた。
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原題:China, India in Talks to Resume Border Trade After 5-Year Pause(抜粋)