キンプリ髙橋海人「さみしいなんて思わなかった」2人での3大ドームツアー完走語る
King&Princeの髙橋海人(26)の2週連続インタビュー後編。2023年5月に永瀬廉(26)との2人体制で再スタートを切り、「悲願」だったドームツアーを完走。新たな目標と、2人で描く未来について語った。
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取材日は、3大ドームツアーを大阪で完走した翌日だった。冷めやらぬ気持ちだったのか。髙橋の口調は早くなったり、力強くなったり、その熱を感じさせた。
「今回のドームツアーは、2人になってというより、キンプリが始まってからも含めて最高点を出したいと思っていたライブ。アルバム作りから寝る間も惜しんでいて。朝まで考え事をしたり、キャラクターや世界観を固めたり、そういったところから楽しんでもらえたらと思っていて」。そう言うと、大切なモノを思い浮かべるように、優しい笑顔を見せた。「昨年7月から本格的にアルバム制作が動き始め、今年7月に完成した。本当に1年間かけて、育てて、愛のある作品がひとしきり終わったなと。寂しさと達成感で。悩んで、粘って、最終的にみんなの笑顔がたくさん見られたということで、間違いじゃなかったのかなって。自信につながる作品であり、ライブでした」
2日前に染めたばかりの金髪を触りながら、ツアーの熱狂を「熱々」と言った。「ドームツアーの前のアリーナの時からボルテージが高くて。常に、フレッシュな気持ちで臨めていて。最高でした」
インタビュー前編で、中村倫也とダブル主演を務めるTBS系ドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」(金曜・後10時)を「殻を破れた」と表現したように、ドームツアーも一つの区切りとなった瞬間だった。23年11月。新体制をスタートしたばかりの永瀬に同企画でインタビューした際、目標を「ドーム」と言った。それは、髙橋も同じ。新体制始動から2年を経て、目標がかなった。
「2人になってから『ドームに立ちたい』という目標は掲げていて。2人になってできることが少なくなるだろうなと思っていたら、2人になったからできることがたくさんあって」。そう言うと、「本当に温泉を掘り当てたよう」と髙橋らしい表現で重ねた。「どんどん、どんどんやりたいことが出てきて。それが、メッチャ面白くて。以前より音楽の幅も広がったと思うし、アーティスト性も高まっている。できるだけ見やすいように、キャッチーに届く方法も研究していて」
「ドーム」の次の目標を尋ねると、これも間髪入れずに言葉が返ってきた。
「自分たちの音楽が一人でも多くの人に届けばいいなと思っていて。これから先、ずっとの目標なんでしょうけど、国内外問わず、いろいろなステージでライブしたい。アリーナだとみんなと近い距離で表情が見えやすいし、熱量が届けやすい。でも、今回2人でドームをやってみて、さみしいなんて思わなかったし、たくさんの人に見てもらうことも楽しかった。やらなかった会場がないぐらいに、国内外の会場でやってみたいですね。そう、だから、キンプリの輪を広げていきたい」
「さみしい」という言葉が少し響いた。今回のドームツアーでは、東京公演を取材した。新たな音楽性とそれまでの楽曲。これでもかと披露して2人の可能性を感じた時間だった。その一方で、頭の片隅には5人体制、5人で最後にテレビ出演したNHK「Venue101」で号泣した髙橋の姿も浮かんだ。2人での「シンデレラガール」は、切なさを感じる瞬間もあった。「2人になった当時は、さみしかったのか」。そう聞くと、まっすぐな思いと、言葉が返ってきた。
「あの頃は、どちらかというと2人でのやり方を探さなきゃというのがありました。『自信を持っている』と言っていたとは思うんです。実際にその当時は自信を持っていましたけど、今と比べると、不安もあった。だから、今も、2年後に比べたら、自信がない状態なのかもしれないですし」。大きく息を吸い込み、言った。「その時々で、King&Princeの最高の状態を叩き出させているから。これからも、どんどん最高を更新していきたい」。さみしさや不安は、みじんも感じられなかった。その目に迷いはなく、ただ前だけを見ていた。(田中 雄己)
◆髙橋 海人(たかはし・かいと)1999年4月3日、神奈川県出身。26歳。2013年に入所。18年5月に「King&Prince」として「シンデレラガール」でCDデビュー。同年にNHK紅白歌合戦初出場。23年5月からは永瀬廉と2人体制で活動。174センチ。