THE ALFEE「思わずフライングで言っちゃった」「僕らも初めて聞きました」 新アルバム発表の舞台裏【アルフィートーク】

撮影/東川哲也 この記事の写真をすべて見る

 AERA12月22日号では、THE ALFEEの皆さんが、12月24日発売の新アルバム「君が生きる意味」について、じっくり語ってくれました。皆さんご存じの通り、語りつくせぬほどにドラマがあるのがTHE ALFEE。誌面に収載しきれなかったとっておきのお話をお届けします!

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――8月の夏イベントで「アルバム」について言及があった際、会場もメンバーも大いに沸いていました。

高見沢俊彦 思わずフライングで言っちゃいましたからね。

坂崎幸之助 僕らもあの時初めて聞きましたから(笑)。

高見沢 僕もあそこで初めてアルバムってことを口に出しました。あの時点でアルバムの7割ぐらいができていたので、もう言っちゃっても大丈夫だろうと思ったんです。が、そこから進み具合が悪くなって、昨日やっとできたばかりです。

なんとか発売日に間に合いました。僕はたくさん曲を作るほうなんですが、コロナ禍で時間がある時にものすごい数の曲を作ったので、ストックが膨大にあるんですよね。その中からアルバムに入れる曲を選べばいいのですが、結局新しい曲をたくさん作りました。そうなるとまたストックが増えていくんですよね。

――新曲「疾風怒濤」はブルージーなギターが印象的でした。

高見沢 そうですね。坂崎の高いアコースティックギターを全面的に出した曲ですね。

坂崎 「あの高いギター持ってきて」って高見沢に言われて、持っていきました(笑)。

高見沢 やっぱり、音が全然違うんですよ。

坂崎 何度かダビングしましたね。今の時代、生音が鳴る曲は減ってきていますが、僕は古いタイプのギタリストなので、自分が憧れている生音にこだわって弾きました。

――歌詞は、現代社会、SNSについて書かれています。

高見沢 ネットはうまく付き合えば、とても便利なツールです。10年以上前の動画企画「ALFEE KITCHEN」がSNSを通して発掘され、YouTubeで474万回再生を超えている。楽曲の再生回数より多いですよ(笑)。あの動画からTHE ALFEEを知って下さった方もいます。一方でネットの功罪は大きい。使い方を誤らないようにしないといけないですよね。

――ネットといえば、昨年、41年ぶりの出場を果たした紅白歌合戦では、「星空のディスタンス」を披露。「お前が歌うんかい!」がトレンド入りしました。

高見沢 そうですね。僕たちにとっては「星空のディスタンス」で桜井が歌うのは当たり前のことですが、初めて見る方にとっては、端っこにいるベースが歌うとは、「?」ということだったんでしょう(笑)。


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桜井賢 本番が終わった後にスタッフから「トレンド入りしましたよ」や「バズってます」と言われた時は、何のことかわからなくて「トレンドって何?」「バズったって何?」と聞きました(笑)。今はもうわかります!

坂崎 桜井は、今はスマホを使いこなしてるからね。

桜井 これね(笑顔でスワイプのジェスチャーをする)。

坂崎 (同じく笑顔でスワイプのチェスチャーをする)。紅白1曲目の「はいよろこんで」(こっちのけんと)でギリギリダンスを踊ったのもバズってたからね。 あと、「アルフィー歌うまい」もトレンド入りしたみたいです。元旦のお笑い番組で僕たちの真似をされていたのを見て笑ってしまいました(笑)。

――ネットとの健全な付き合い方に、持論はありますか。

高見沢 僕は健康的な使い方をしていませんね。書き物が多いので頻繁に見ています。ただ、ブルーライトをカットするメガネをかけたり、気は遣ってます。実は僕は90年代半ばくらいから、富士通のオアシスで、takamizawa.comというサイトを内々で作っていましたから。当時はとても短くてわかりやすいパスワードにしていましたが、今は難しくしていますね。昔はサイバー攻撃とかもなかったですしね。

桜井 この間ビール会社がサイバー攻撃を受けていたよね。

高見沢 そうそう。ビールが出荷できなくて、ビールかけじゃなくてシャンパンかけになって。そういうデジタル面での問題は、精神的な負担が大きいですよね。そんな精神的負担を癒やせるのは、音楽とライブしかないんじゃないかって思っています。

何ごとも光があれば闇がありますが、ネットは実体がないから、闇が深すぎる。音楽をもっと光にしていきたいですね。

――ツアータイトルにもなった「HEART OF RAINBOW」は、まっすぐなメッセージソングだった。

高見沢 30代~40代の時は、「ここまで言えないな」と思っていたことも、「もう70代なんだから言ってもいいよな」と思うんですよね。ただ、人生を語れるにはまだ至ってないかな(笑)。

坂崎 まだ語れる歳じゃない(笑)。

高見沢 いくつになったら、語れるんだろうね(笑)。

構成・ライター 小松香里/編集部・澤志保

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