「必要不可欠な選手」熊坂がA代表活動で大ケガも…柏リカルド監督「嘆いていても何も始まらない」代役ルーキー起用で3-0圧勝
リカルド・ロドリゲス監督(左から3人目)と先発抜擢のMF中川敦瑛(同2人目)
[6.15 J1第20節 柏 3-0 東京V 味スタ]
柏レイソルは15日、J1第20節で東京ヴェルディに3-0で勝利し、2位に浮上した。今月のリーグ戦中断期間中には今季の攻守の要を担ってきた日本代表MF熊坂光希が大ケガで長期離脱を強いられるアクシデントに見舞われたが、この日は代役で今季初先発の大卒ルーキーMF中川敦瑛が好パフォーマンスを発揮。懸念を払拭する2試合ぶりの白星で、首位・鹿島との勝ち点差を4に縮めた。
対戦相手の東京Vとは今月4日、8日のルヴァン杯プレーオフステージでも対戦し、2戦合計スコア5-1で圧勝していた柏。わずか2週間足らずで3度目の対戦となったこの日は、今季開幕から18試合連続で先発していた熊坂が今月8日の日本代表トレーニングで右膝前十字靭帯断裂の重傷を負った影響で欠場したなか、代役のボランチに東京Vとの2試合で1ゴール1アシストの大活躍を見せていた中川が抜擢された。熊坂が出場停止だった前節・神戸戦には1-3で敗れており、ここで崩れれば今季の好調に歯止めがかかりかねない一戦。それでもチームは熊坂の役割をそのまま中川に引き継ぐのではなく、ボランチの相方を担うMF山田雄士に加え、MF小泉佳穂とMF渡井理己の2シャドーとのローテーションで相手のマークをかく乱し、時には左ウイングバックのMF小屋松知哉も中央に絞ってくる分厚い布陣でボール保持を安定させることで、試合の主導権を握っていった。
そうして普段どおりのポゼッション攻撃を繰り広げつつ、結果は3-0の圧勝。試合後、リカルド・ロドリゲス監督は熊坂の不在について「コウキは我々の前半戦にとってとても重要な、必要不可欠な選手だった。攻守に渡ってとても多くのものをチームに貢献してくれていただけに、彼の怪我、不在はチームにとって、そしてクラブにとって痛手になる」としながらも、「でもそこで嘆いていても何も始まらない」ときっぱり。「彼の不在のなか、山田も中川も素晴らしいパフォーマンスを表現してくれた」と新たなボランチコンビへの信頼を示した。
ロドリゲス監督はこの日が初先発となった中川個人のパフォーマンスにも手応えを感じたようだ。 中川はここまでJ1リーグ戦では2試合の途中出場にとどまっていたが、指揮官は「中川はルヴァン杯でヴェルディとの2試合に出場し、素晴らしいパフォーマンスを表現してくれていた。その流れもあって今日、リーグ戦においてもスタメンで起用した」と起用の意図を明かし、「彼のように中盤のなかで、攻撃では一つ前で、守備ではボランチ気味に低い位置で守備をするという両方ができる選手は私のプレースタイルにおいてとても重要なプロフィールになる」と信頼を強調。「彼が素晴らしい活躍をしてくれたことは、チームにとっても私にとっても重要な喜びだ」と頼もしそうに話した。 (取材・文 竹内達也)●2025シーズンJリーグ特集▶お笑いコンビ・ヤーレンズのサッカー番組がスタート!