EUとNATO、ウクライナの主権・安全保障強調 米ロけん制

 欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)は10日、今週15日の米ロ首脳会談を前に、ウクライナの主権や安全保障を支持する立場を強調した。写真はウクライナ軍の訓練の様子。ハリコフ州で9日撮影(2025年 ロイター/Sofiia Gatilova)

[10日 ロイター] - 欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)は10日、今週15日の米ロ首脳会談を前に、ウクライナの主権や安全保障を支持する立場を強調した。戦争終結の条件が トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領によって決定されるのではないかとの懸念がある。

EUのカラス外交安全保障上級代表(外相)は「米国にはロシアに真剣な交渉を迫る力がある」とし、「これはウクライナと欧州全体の安全保障に関わる問題であり、米ロ間のいかなる合意にもウクライナとEUが含まれなければならない」と述べた。

また、EU外相が11日に今後の対応を協議すると明らかにした。

NATOのルッテ事務総長は米ABCニュースに対し、15日の首脳会談はプーチン氏が戦争終結にどれほど真剣なのかを試す場になるとの見方を示した。

また、ウクライナが自らの将来を決定し、自らの地政学的将来を決定する主権国家でなければならないという認識が絶対に必要だと強調した。

合意にはロシアによるウクライナ領土支配を法的に承認する条項を含むことはできないとした一方、事実上の承認は含まれる可能性があると指摘。第2次世界大戦後に米国がソ連による事実上のバルト3国支配を受け入れつつ、併合を法的に承認しなかった例に言及した。

欧州当局者によると、トランプ氏の提案に対し、欧州は対案を提示したが、詳細は明らかにされていない。

こうした中、ロシアは欧州がトランプ氏の戦争終結に向けた取り組みを妨害しようとしていると非難。メドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は「欧州の愚か者はウクライナ紛争の解決を支援する米国の努力を妨害しようとしている」と交流サイト(SNS)に投稿した。

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Chief writer on Russia and CIS. Worked as a journalist on 7 continents and reported from 40+ countries, with postings in London, Wellington, Brussels, Warsaw, Moscow and Berlin. Covered the break-up of the Soviet Union in the 1990s. Security correspondent from 2003 to 2008. Speaks French, Russian and (rusty) German and Polish.

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