カルビー、主力商品パッケージを白黒に イラン情勢受けインク供給停滞
画像提供, Calbee
日本のスナックメーカー大手のカルビーは12日、主力商品の一部について、当面の間はパッケージを白黒の2色に変更すると発表した。アメリカ・イスラエルとイランとの戦争により、パッケージの印刷インクに使われる原料の供給が滞っていることを受けた措置。
カルビーは12日に声明で、パッケージの変更について、「中東情勢の緊迫化に伴う一部原材料の調達不安定化を受け、商品の安定供給を最優先とする観点から、当面の対応策として一部商品のパッケージ仕様」を見直すと説明した。
カルビーによると、対象となるのは、「ポテトチップス」や「かっぱえびせん」、「フルグラ」など計 14 品。「パッケージに使用する印刷インクの色数を従来仕様から 2 色に変更し、2026 年 5 月 25 日(月)週より店頭で順次切り替えて販売」するという。
商品パッケージの印刷インクには、主に原油の精製過程で製造されるナフサ由来の有機溶剤が使われることが多い。
原油をめぐっては、重要な海上輸送路であるホルムズ海峡が、イランによって事実上封鎖されている。イランは、アメリカとイスラエルによる攻撃への報復だとしている。
カルビーの今回の措置は、その影響が日用品にまで及んでいることを示す最新の例だ。
ここ数週間、世界各地の企業は、燃料やプラスチック、ヘリウムなどの供給が滞り、事業コストが押し上げられていると警告を発している。
2月28日に米・イスラエルとイランとの紛争が始まって以来、ホルムズ海峡を通過する輸送は事実上停止され、原油・ガス価格は急騰している。
インクやプラスチックの原料となる、原油の精製過程で製造されるナフサの供給もまた、深刻な影響を受けている。
アジア諸国におけるナフサ価格は、紛争開始以降ほぼ倍増し、同地域の事業コストを押し上げている。
佐藤敬内閣官房副長官は12日の記者会見で、開戦以前は日本のナフサ輸入の約4割を中東地域が占めていたとしたうえで、「関係省庁が連携し、分野横断で、重要物資の供給状況を総点検するとともに、関係省庁に設置された情報提供窓口を通じて、サプライチェーンの情報を集約し、供給の偏りや目詰まりを一つ一つ確実に解消していくなどの」取り組みを進めていると述べた。
4月には高市早苗首相が、ナフサの調達先について、アメリカなど中東以外に拡大する方針だと述べていた。
ペルシャ湾を通る海上輸送の混乱は、中東のエネルギーや石油関連製品に大きく依存しているアジア諸国にとりわけ大きな打撃を与えている。
今月1日には、日本の納豆大手ミツカンが、発泡スチロール容器の安定調達が困難になるおそれがあるなどとして、一部商品の販売停止や値上げを発表した。
日本のトヨタ自動車や韓国の現代自動車などの自動車メーカーは、原材料費の高騰や売上の減少により、利益に影響が出ているとしている。
米・イスラエルとイランとの戦争をめぐっては、ジェット燃料価格も急騰し、世界各地で多くの航空会社が運航を一時停止し、航空機が地上で待機する事態となっている。
先週には、イギリスの衣料品チェーン「ネクスト」が、燃料価格の上昇と世界的なサプライチェーンの混乱を理由に、欧州域外の国で最大8%の値上げを実施した。