フィンランド議会、対人地雷禁止条約からの離脱を可決

 北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)に加盟するフィンランドの議会は19日、隣国ロシアの軍事的脅威の高まりを受け、1997年の対人地雷禁止条約(オタワ条約)を離脱することを賛成多数で可決した。写真は同議会。ヘルシンキで昨年2月撮影。提供写真(2025年 ロイター/Lehtikuva)

[ヘルシンキ 19日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)に加盟するフィンランドの議会は19日、隣国ロシアの軍事的脅威の高まりを受け、1997年の対人地雷禁止条約(オタワ条約)を離脱することを賛成多数で可決した。他のオタワ条約加盟国と国連へ正式に脱退を通告して6カ月後には、地雷の備蓄を始められるようになる。

ロシアと国境を接しているためオタワ条約から離脱したり、離脱を計画しているEUやNATOの加盟国には、フィンランドの他にリトアニア、ラトビア、エストニア、ポーランドなどがある。

フィンランドの外交・国家安全政策を指揮するストゥブ大統領は「ロシアと呼ばれている隣国は攻撃的、帝国主義で、オタワ条約に加盟しておらず、無慈悲にも地雷を使用している」として離脱に理解を示した。

フィンランドは、ロシアとの国境がNATO加盟国で最長となっている。

一方、国連のグテレス事務総長は16日、「私はいくつかの加盟国が対人地雷禁止条約からの脱退を最近発表し、そのための措置を取ったことに重大な懸念を抱いている」との声明を出した。

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