【2025 MotoGP 第17戦日本GP】マルク・マルケスが最高峰クラスで5年ぶり7度目の世界タイトル獲得!

2025年9月26日から28日にかけて、モビリティリゾートもてぎにてMotoGP第17戦日本GPが行われた。

予選ではここまで苦戦を強いられていたフランチェスコ・バニャイア(Ducati Lenovo Team)がポールポジションを獲得。2番グリッドにチームの母国戦となるジョアン・ミル(Honda HRC Castrol )、そして、3番グリッドにはタイトルに王手をかけたマルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)がつけた。

最高峰クラスで初の母国凱旋を迎えた小椋藍(Trackhouse MotoGP Team)は13番グリッド、ワイルドカード参戦の中上貴晶(Honda HRC Test Team)は20番グリッドからスタートを迎える。

日本GPのスプリントはマルチクラッシュにより波乱のスタートとなった。

気温28度、路面温度44度のドライコンディションのなか、12周のスプリントがスタート。上位勢がスタートを決めるなか、後方ではホルヘ・マルティン(Aprilia Racing)がターン1で転倒し、複数人を巻き込んだマルチクラッシュが発生してしまった。

マルティンはこの転倒により右の鎖骨を骨折。チームメイトのマルコ・ベッツェッキ(Aprilia Racing)やアレックス・リンス(Monster Energy Yamaha MotoGP Team)、ヨハン・ザルコ(CASTROL Honda LCR)などが煽りをくった。

レースはバニャイアがホールショットを決めると早くもリードを築く走りを披露。その後ろではミルとペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Factory Racing)がバトルを展開し、アコスタが2番手に浮上する。

タイトルへのプレッシャーなのか、マルク・マルケスは4番手を走行。5周目にマルク・マルケスはターン10で仕掛けてるもポジションをあげることはできない。時折ラインを外すなど精彩に欠く走りだったが、残り5周のターン10でミルをオーバーテイクし3番手に浮上した。

表彰台圏内に入ったマルク・マルケスは調子を取り戻し、2番手のアコスタに接近。そして残り2周となったところで、アコスタもオーバーテイク。2番手に浮上した。

バニャイアはスタートから一度もトップの座を譲ることなく、2秒の差をつけてトップチェッカー。今シーズン初となるスプリントレース勝利となった。2位はマルク・マルケス、3位はアコスタが入った。

ミサノテストで得た新たなパッケージがバニャイアの速さを取り戻した。

小椋は3つポジションを上げて9位でフィニッシュしポイントを獲得。ファイナルラップではアレックス・マルケス(BK8 Gresini Racing MotoGP)をオーバーテイクしての入賞となった。ワイルドカード参戦の中上貴晶は、14位でフィニッシュしている。

アレックス・マルケスがノーポイントに終わり、マルケス兄弟のポイント差は191ポイントに。決勝ではアレックス・マルケスがマルク・マルケスより7ポイント以上多く獲得しなければならない。つまり、マルク・マルケスが2位を獲得すれば、その時点でタイトルが決定する。

苦難を乗り越えたマルク・マルケスが5年ぶりの年間王者に輝く

迎えた決勝日は雲が広がり青空も覗き込むドライコンディションとなった。そんななか、前日スプリントで入賞を果たし、決勝レースでも期待が高まっていた小椋が欠場を発表。前戦サンマリノGPで負った右手首の負傷によるものだった。

不快感や痛みがあることから、母国GP欠場という苦渋の決断を強いられた小椋だが、次戦以降の戦いに備えることになった。

気温28度、路面温度41度のドライコンディションのなか、24周の決勝レースがスタート。ポールシッターのバニャイアがホールショットを奪うと、スプリント同様序盤から逃げにかかる。

2番手にアコスタが浮上し、マルク・マルケス、ファビオ・クアルタラロ(Monster Energy Yamaha MotoGP Team)、そしてミルは続く。スタートで4位となったクアルタラロだったが、挙動を乱してポジションを大きく落としてしまった。

バニャイアが逃げるなか、マルク・マルケスは11周目にアコスタをオーバーテイク。ミルも14周目にアコスタを攻略して表彰台圏内に浮上した。アコスタはペースが上がらず、その後ベッツェッキやフランコ・モルビデリ(VR46)にも交わされ、ターン1でコースオフするなど厳しい戦いを強いられた。

バニャイアがトップを独走するも、レース終盤になるとマシンから白煙が上がるように。いつエンジンがブローしてもおかしくない状況の中、バニャイアのトラブルを察知したマルク・マルケスが急激にギャップを縮めていく。

いつ壊れてもおかしくない中、先頭をひた走るバニャイア。

しかし、ファイナルラップでその差は2秒だったこともあり、マルク・マルケスがリスクをとることはなかった。バニャイアのマシンは最後まで走り切りトップチェッカー。今季2勝目となり、日本GPを完全制覇してみせた。

そしてマルク・マルケスが2位に入り、2025年シーズンのタイトルが決定。最高峰クラスでは7度目、全クラスあわせて9度目のタイトル獲得となり、バレンティーノ・ロッシの記録に並んだ。3位にはミルが入り、ホンダに移籍後初となる表彰台を獲得した。

2位でチェッカーを受けたマルク・マルケスが今シーズンのタイトルを決めた。

2020年に右上腕骨の骨折から始まり、ホンダの不調、転倒と手術の連続、リハビリ、ホンダとの別れなど常人では耐え難いほど苦しい期間を過ごしたマルク・マルケス。しかし、5年という歳月をかけ、弛まぬ努力で再び世界一の座に戻ってきた。

大型ビジョンにはこれまでの軌跡が流れ、涙を流すマルク・マルケス。

これまで6度のタイトルを獲得した時は全て笑顔だったマルク・マルケスだったが、これまでにない苦境があったからか、感情を抑えることはできなかった。5年という年月を経て再び世界タイトルを獲得した唯一のライダーとなったマルク・マルケス。諦めずに戦い続ける大切さと尊さを感じることができた1戦だった。

次戦は10月3日から5日にかけて行われる第18戦インドネシアGP。タイトルを獲得したマルク・マルケス、そして復活を果たしたバニャイアのチームメイトバトルに注目だ。

2025 MotoGP 第17戦日本GP 決勝結果

今年の日本GPはまさに「復活」という言葉が当てはまるレースだった。

resources.motogp.com

レポート:河村大志


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2025年9月19日、ホンダが重慶モーターショー(CIMA 2025)で「CB500 Super Four」ととも世界初公開したのがCBR500R FOUR。日本国内向けには400cc版が登場するのでは、という噂もあり、もしそれが実現すれば、カワサキのNinja ZX-4Rの最大のライバルになりそうな注目の1台だ。早速、追加で入ってきた最新画像も加えながら、詳細をおさらいしてみよう!

▶▶▶ホンダ「CBR500R FOUR」の写真はこちら

ホンダ「CBR500R FOUR」の概要・カラー・人気投票

CBRらしいシャープでスタイリッシュなフォルムで登場!

HONDA CBR500R FOUR 2026年モデル

CB500スーパーフォアと同時に公開された、フルカウルスポーツのCBR500R FOUR。2024年の重慶モーターショーで、ホンダが4気筒ミドルスポーツの開発を宣言した際、会場でフルカウルスポーツのシルエットが公開されたが、その実物がついにお披露目となったわけだ。

会場に展示されたのはレッドとシルバーの2台。中国市場では先に2気筒エンジンを搭載するCBR500Rが登場しているが、スタイリングはその延長線上とも言えるもの。特にレッドは同系統のカラーグラフィックを採用しており、CBRイメージが色濃く打ち出されている。

基本的にはCBR650Rなどにも通じる、直線基調のシャープなフォルムだが、フロントマスクは独特のデザインで、CBRシリーズの他のモデルとの差別化も図られている。

CBRらしさを前面に出したレッドに対し、会場でも展示されたもうひとつのカラー、シルバーはスポーティな中にも落ち着いた印象を与える。マルチに使えるフルカウルスポーツとして、ストリートに映えるカラーだ。

4気筒ユニットはVTECなし、Eクラッチシステムも導入!

CB500スーパーフォアと同じく、エンジンは新開発の502cc・水冷DOHC4バルブ4気筒。これまでのCB400スーパーフォアに採用されてきた油圧バルブ数制御システム「ハイパーVTEC」は搭載されないが、スロットルバイワイヤを採用。マフラーはCB500スーパーフォアとは異なる、スポーツモデルらしい異形サイレンサーのものが採用されている。

また、ライディングモードはアーバン、スポーツ、レイン、ユーザー1、ユーザー2の5モードが用意され、走行状況や好みに応じたパワー特性を選ぶことができるようになっている。メーターは5インチのカラーTFTで、音声コマンドも使えるスマホ連携の「Honda RoadSync」も搭載されている。

そして、CB500スーパーフォア同様、こちらにもホンダEクラッチシステムが採用される。エンジン左側にレイアウトされるアクチュエーターはコンパクトで、設計当初からEクラッチシステムの採用を前提としていたらしく、アクチュエーターなどのユニットを搭載しても余計な張り出しが極力抑えられているのも特徴だ。

V字型をしたポジションランプが印象的なヘッドライトは新デザイン。ライトユニットは左右2灯、計4灯とおぼしきLEDで、先に登場したCB1000Fコンセプトとは異なるデザイン。フロントウインカーはおそらくポジションランプ左右にビルトインされているようだ。

シートカウルはCBR500RやCBR250Rに通じるシャープなデザイン。足つきにも配慮され、前半部分が絶妙に絞り込まれているのも特徴だ。

外装はまるで別物だが、エンジン、シャシーは基本的にCB500スーパーフォアと共通。フロントフォークはKYB製の倒立となり、ブレーキキャリパーもニッシン製のラジアルマウント4ポットを装着。リアはリンク式モノショックで、スイングアームはアルミ製となっている。

ここで気になるのは400ccと言われる国内仕様の発表と導入時期。もし400cc版が導入されれば、ホンダとしては__CBR400RR以来、実に33年ぶりの400cc4気筒フルカウルスポーツの復活となるし、カワサキのNinja ZX-4Rの最大のライバルとなるわけで、俄然期待も高まる。今後のさらなる展開に大注目だ。

ホンダ「CBR500R FOUR」の写真

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スズキは運転免許を返納した方でも安心して乗れる「セニアカー」を作り続けて40周年を迎えます。バイクやクルマを愛する者として、免許を返納した親世代や高齢者の方への贈り物に相応しい“安全な乗り物”の知識を、ここでちょって深めてみませんか?

スズキ公式ホームページより

www.suzuki.co.jp

当サイト「スズキのバイク!」では、そのサイト名の通り、基本的には“スズキのバイク”に関する情報を発信させていただいているのですが、今回はすこし毛色の違うお話を。

スズキはバイクやクルマ以外にも、船外機や電動アシスト自転車などの開発&販売も行っていることはご存知の方も多いと思いますが、主に高齢者の生活の友として愛用される「セニアカー」の製造販売を行なっていることはご存知ですか?

しかも、スズキのセニアカー製造は1985年からスタートされていて、今年で40周年を迎えるほど歴史と実績のある乗り物なんです。

バイクやクルマと同じように、いつまでも「自分で自由に移動したい」という気持ちは持ち続けていたいものですが、いずれ運転免許証を返納しなければならなくなる時期は誰にでもやってきます。

そうなると、特に公共交通機関が少ない地方にお住まいの方は、ちょっとした買い物でさえ運転免許がないと生活をするのに苦労するほどの地域もありますし、自転車や徒歩での移動も年齢と共に大変になっていくと思います。

そんな免許証を返納した高齢者や引退世代の方への贈り物として、今回はセニアカーに関する知識をちょっと深めてみましょう。

スズキ初の3輪セニアカー「セニアカー ET10型」(1985年)

スズキ初のセニアカーは、1985年に発売された3輪タイプの「ET10型」からスタートしました。

そもそも“セニアカー”とは、転倒の危険が極めて少ない3輪や4輪のタイヤが備わった小型の乗り物で、椅子やハンドル、ブレーキなどに加えて電動モーターで動くバッテリーが備わっていることで、歩行が困難な方の移動手段として誕生しました。

セニアカーは道路交通法上は「歩行者」として扱われるため、運転免許は必要ありません(※一部の交通ルールは守る必要があります)。

最高速度は時速6km程度。人がジョギングするスピードとほぼ同じくらいで、足腰の不自由な方のために安全を考慮した設計になっています。基本的には歩道や公園、施設内などを移動することが前提なので車道を走ることはできません。

また、バイクやクルマのようにナンバープレートを取得する必要がないので、自賠責保険や重量税などの維持費も不要。種類にもよりますが、前かごや後部の収納スペースがあり、徒歩や自転車などでの移動が困難な方でも近所の買い物やお出掛けが便利になる乗り物です。

40年間進化を続けてきたセニアカーの最新モデル「ET4D」

スズキ ET4D(ブリリアントホワイトパール)メーカー希望小売価格43万3000円(セニアカーには消費税がかかりません)

こちらはスズキ・セニアカーの最新モデル「ET4D」。肘掛け付きの高級ソファーのようなシートに、左右のミラー、25Lサイズの大型バスケットなどが備わっています。

他にもバックギア(リバースモード)や、傾斜道のお知らせ機能、障害物センサーを搭載するなど、40年でセニアカーも大きく進化しました。

バイクやクルマを選ぶときと同じように、カラーバリエーションも4種類から好きに選ぶことができます。

しかも、セニアカーは「非課税扱いの福祉用具」として認められているので、基本的に車両価格に消費税がかからず、地域や自治体によっては 購入時に補助金が出る場合があります。(※詳しくはお住まいの地域の自治体などにご確認ください)

そもそも「セニアカー」ってどうやって運転するの?

スズキ公式ホームページより

www.suzuki.co.jp

最新のセニアカーのコックピットは、概ねこのようなハンドルデザインになっています。

バイクやクルマのようにメインキーを差し込んで、電源スイッチを回すと主電源が入り、メーターやヘッドライトなどが点灯。

あとはハンドル内側のアクセルレバーを押し下げると動き出し、手を放すと自動でブレーキがかかります。つまり、アクセルレバーひとつでアクセルとブレーキの両方の操作ができるわけです。

さらにはバッテリー残量を一目で確認できるメーターや、傾斜地での自動ブレーキ機能、段差でのつまずき軽減など、細やかな工夫が随所に盛り込まれているのも見逃せません。

他にも速度調整ボタンやホーン、ミラーやウインカーなども備わっているので、バイクやクルマを運転していたことがある方なら安全で楽しく運転できそうですね。

スズキ公式ホームページより

スズキは、セニアカーを「ただの移動手段」としてではなく「人生を動かす乗り物」として位置づけています。

「歩くのがつらい」「外に出たいけど不安」という高齢者の声に応える形で、移動手段の新しい選択肢として、バイク好きな私たちが“親に贈る1台”としても、十分に価値のある選択ではないでしょうか。

「自由に移動できる喜び」は年齢を重ねても変わるものではありません。スズキのセニアカーはその想いに40年間、ずっと寄り添い続けてきました。

バイクのように、セニアカーだって“相棒”になると思うんです。

自分がかつてバイクに出会って走る楽しさを知ったように、今度は親に、もう一度「自由に動ける喜び」を贈ってみるのはいかがでしょうか。

スズキ「セニアカー」のことをもっと詳しく知りたい方はこちら!

https://www.youtube.com/embed/pWrEGGsRMbs?feature=oembed&loop=0&rel=1&controls=1

スズキセニアカー プロモーションビデオ

www.youtube.com

※タップ(クリック)すると外部サイトへジャンプします

スズキファンのためのWEBサイト!


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2025年9月26日から28日にかけて、モビリティリゾートもてぎにてMotoGP第17戦日本GPが行われた。

予選ではここまで苦戦を強いられていたフランチェスコ・バニャイア(Ducati Lenovo Team)がポールポジションを獲得。2番グリッドにチームの母国戦となるジョアン・ミル(Honda HRC Castrol )、そして、3番グリッドにはタイトルに王手をかけたマルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)がつけた。

最高峰クラスで初の母国凱旋を迎えた小椋藍(Trackhouse MotoGP Team)は13番グリッド、ワイルドカード参戦の中上貴晶(Honda HRC Test Team)は20番グリッドからスタートを迎える。

日本GPのスプリントはマルチクラッシュにより波乱のスタートとなった。

気温28度、路面温度44度のドライコンディションのなか、12周のスプリントがスタート。上位勢がスタートを決めるなか、後方ではホルヘ・マルティン(Aprilia Racing)がターン1で転倒し、複数人を巻き込んだマルチクラッシュが発生してしまった。

マルティンはこの転倒により右の鎖骨を骨折。チームメイトのマルコ・ベッツェッキ(Aprilia Racing)やアレックス・リンス(Monster Energy Yamaha MotoGP Team)、ヨハン・ザルコ(CASTROL Honda LCR)などが煽りをくった。

レースはバニャイアがホールショットを決めると早くもリードを築く走りを披露。その後ろではミルとペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Factory Racing)がバトルを展開し、アコスタが2番手に浮上する。

タイトルへのプレッシャーなのか、マルク・マルケスは4番手を走行。5周目にマルク・マルケスはターン10で仕掛けてるもポジションをあげることはできない。時折ラインを外すなど精彩に欠く走りだったが、残り5周のターン10でミルをオーバーテイクし3番手に浮上した。

表彰台圏内に入ったマルク・マルケスは調子を取り戻し、2番手のアコスタに接近。そして残り2周となったところで、アコスタもオーバーテイク。2番手に浮上した。

バニャイアはスタートから一度もトップの座を譲ることなく、2秒の差をつけてトップチェッカー。今シーズン初となるスプリントレース勝利となった。2位はマルク・マルケス、3位はアコスタが入った。

ミサノテストで得た新たなパッケージがバニャイアの速さを取り戻した。

小椋は3つポジションを上げて9位でフィニッシュしポイントを獲得。ファイナルラップではアレックス・マルケス(BK8 Gresini Racing MotoGP)をオーバーテイクしての入賞となった。ワイルドカード参戦の中上貴晶は、14位でフィニッシュしている。

アレックス・マルケスがノーポイントに終わり、マルケス兄弟のポイント差は191ポイントに。決勝ではアレックス・マルケスがマルク・マルケスより7ポイント以上多く獲得しなければならない。つまり、マルク・マルケスが2位を獲得すれば、その時点でタイトルが決定する。

苦難を乗り越えたマルク・マルケスが5年ぶりの年間王者に輝く

迎えた決勝日は雲が広がり青空も覗き込むドライコンディションとなった。そんななか、前日スプリントで入賞を果たし、決勝レースでも期待が高まっていた小椋が欠場を発表。前戦サンマリノGPで負った右手首の負傷によるものだった。

不快感や痛みがあることから、母国GP欠場という苦渋の決断を強いられた小椋だが、次戦以降の戦いに備えることになった。

気温28度、路面温度41度のドライコンディションのなか、24周の決勝レースがスタート。ポールシッターのバニャイアがホールショットを奪うと、スプリント同様序盤から逃げにかかる。

2番手にアコスタが浮上し、マルク・マルケス、ファビオ・クアルタラロ(Monster Energy Yamaha MotoGP Team)、そしてミルは続く。スタートで4位となったクアルタラロだったが、挙動を乱してポジションを大きく落としてしまった。

バニャイアが逃げるなか、マルク・マルケスは11周目にアコスタをオーバーテイク。ミルも14周目にアコスタを攻略して表彰台圏内に浮上した。アコスタはペースが上がらず、その後ベッツェッキやフランコ・モルビデリ(VR46)にも交わされ、ターン1でコースオフするなど厳しい戦いを強いられた。

バニャイアがトップを独走するも、レース終盤になるとマシンから白煙が上がるように。いつエンジンがブローしてもおかしくない状況の中、バニャイアのトラブルを察知したマルク・マルケスが急激にギャップを縮めていく。

いつ壊れてもおかしくない中、先頭をひた走るバニャイア。

しかし、ファイナルラップでその差は2秒だったこともあり、マルク・マルケスがリスクをとることはなかった。バニャイアのマシンは最後まで走り切りトップチェッカー。今季2勝目となり、日本GPを完全制覇してみせた。

そしてマルク・マルケスが2位に入り、2025年シーズンのタイトルが決定。最高峰クラスでは7度目、全クラスあわせて9度目のタイトル獲得となり、バレンティーノ・ロッシの記録に並んだ。3位にはミルが入り、ホンダに移籍後初となる表彰台を獲得した。

2位でチェッカーを受けたマルク・マルケスが今シーズンのタイトルを決めた。

2020年に右上腕骨の骨折から始まり、ホンダの不調、転倒と手術の連続、リハビリ、ホンダとの別れなど常人では耐え難いほど苦しい期間を過ごしたマルク・マルケス。しかし、5年という歳月をかけ、弛まぬ努力で再び世界一の座に戻ってきた。

大型ビジョンにはこれまでの軌跡が流れ、涙を流すマルク・マルケス。

これまで6度のタイトルを獲得した時は全て笑顔だったマルク・マルケスだったが、これまでにない苦境があったからか、感情を抑えることはできなかった。5年という年月を経て再び世界タイトルを獲得した唯一のライダーとなったマルク・マルケス。諦めずに戦い続ける大切さと尊さを感じることができた1戦だった。

次戦は10月3日から5日にかけて行われる第18戦インドネシアGP。タイトルを獲得したマルク・マルケス、そして復活を果たしたバニャイアのチームメイトバトルに注目だ。

2025 MotoGP 第17戦日本GP 決勝結果

今年の日本GPはまさに「復活」という言葉が当てはまるレースだった。

resources.motogp.com

レポート:河村大志


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2025年9月26日から28日にかけて、2025年スーパーバイク世界選手権の第10戦アラゴンラウンドが、スペインのモーターランド・アラゴンで行われた。

スーパーポールではニッコロ・ブレガ(ARUBA.IT RACING - DUCATI)がオールタイムレコードを更新する1分47秒332を記録して、2年連続となるポールポジションを獲得。トプラク・ラズガットリオグル(ROKIT BMW MOTORRAD WORLDSBK TEAM)はブレガのタイムにわずかに届かず2番手、3番手にはアレックス・ロウズ(BIMOTA BY KAWASAKI RACING TEAM)が続き、フロントロウを獲得した。

気温24度、路面温度37度のドライコンディションのなか、18周のレース1がスタートすると、いきなりラズガットリオグルとブレガのトップ争いが勃発。

両者は毎周回ポジションを入れ替えながら周回を重ね、ともに逃げることができないままレースは進んでいく。ブレガは直線で、ラズガットリオグルはブレーキングで勝負を仕掛け、拮抗したレースとなった。

最終ラップまで熱戦を繰り広げた両者だったが、ラズガットリオグルが逃げ切り優勝。第6戦ミサノから13連勝を達成した。ブレガは最終ラップにファステストラップを記録してラズガットリオグルを追ったが、0秒030とわずかに届かず2位、3番手をキープしたサム・ロウズ(ELF MARC VDS RACING TEAM)が3位に入った。

13連勝を達成したラズガットリオグル。

スプリントであるスーパーポール・レースでも、序盤からブレガとラズガットリオグルがトップ争いを展開。序盤から3番手以下を引き離してのバトルとなったトップ争いは、最終ラップのバックストレート前のターン15でラズガットリオグルが前に出るが、最終コーナー立ち上がりでブレガがラズガットリオグルをパス。0秒105差という僅差でブレガが第5戦チェコのレース2以来となる勝利を手にした。

惜しくも敗れたラズガットリオグルは2位となり、連勝がストップ。第6戦ミサノから続いていたハットトリックもここで止まった。3位にはアルバロ・バウティスタ(ARUBA.IT RACING - DUCATI)が入っている。

最終レース2は気温26度、路面温度31度のドライコンディションのなか、18周で争われた。ポールポジションからブレガがレースをリード。ラズガットリオグルが2番手で続き、早くもこの2台が抜け出し、レース1、スーパーポール・レース同様に一騎打ちとなる。

加速性能に優れているドゥカティを駆るブレガはバックストレートから最終コーナー、ラズガットリオグルは7コーナー、15コーナーのブレーキングが勝負ポイントであり、何度もポジションの入れ替えを繰り返しながら周回を重ねていく。

アラゴンラウンドでは常にこの2台の接近戦が演じられてきたが、12周目のターン7でラズガットリオグルがラインを外すミスを犯してしまい、ブレガとのギャップは1秒以上に開いてしまった。

このチャンスを活かしたいブレガはペースを上げ、その差を2秒にまで拡大。ラズガットリオグルも懸命に追ったが、その差は縮まることなく勝負はここまで。

得意の逃げ切り体制に持ち込んだブレガがラズガットリオグルとの差をキープしてトップチェッカー。今シーズン10勝目となった。2位にラズガットリオグル、3位にバウティスタが入った。

得意のトラックでラズガットリオグルの連勝を止めたブレガ。

この結果、ランキングトップのラズガットリオグルとランキング2位のブレガとの差は36ポイントに接近。残り2戦6レースが残っていることから予断を許さない点差と言える。

ついにラズガットリオグルの連勝を止めたブレガ。シーズン終盤になってタイトル争いの行方がわからなくなってきた。SBK最後のタイトル獲得か、それとも昨年のリベンジか。次戦は10月10日から12日に行われるエストリルラウンド。タイトル争いの天王山となる1戦はどちらに軍配が上がるのか、注目だ。

2025 スーパーバイク世界選手権 第10戦 レース1 結果

ラズガットリオグルとブレガに続いたのはサム・ロウズ。

resources.worldsbk.com

2025 スーパーバイク世界選手権 第10戦 スーパーポール・レース 結果

ラズガットリオグルとの激闘を制したブレガが優勝。

resources.worldsbk.com

2025 スーパーバイク世界選手権 第10戦 レース2 結果

ラズガットリオグルとブレガのポイント差は36。

resources.worldsbk.com

レポート:河村大志


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2025年9月8日、ホンダはハンズフリーモビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」を発表した。日本国内の法人ユーザーに向けて9月24日に発売する。同製品は、道路交通法にて歩行者扱いの車両区分「移動用小型車」に分類される電動モビリティであり、座ったまま体重移動で操縦するユニークな1台となっている。今回の発表に合わせて、体験会も開催された。レポート:蔭山洋平(スマートモビリティJP編集部)※この記事はウェブサイト「スマートモビリティJP」で2025年9月8日に公開されたものを一部編集し転載しています。

ホンダの製品と言ったらなにを思い浮かべるだろうか。多くの人はクルマやバイク、近年だと小型ジェット機と答えるひともいるかもしれない。もちろん販売されている製品はこれだけではなく、そのジャンルは多岐に渡るのだが、そのほとんどが「目的地へ行くためのモビリティ」だった。どうしたら安全に、快適に、楽しく、効率的に、そして早く目的地へ到着できるか、改良に改良を重ねられてきた。

ところが、今回発表されたUNI-ONE(ユニワン)は従来の製品ラインナップとは一線を画す、「目的地で使うモビリティ」なのだという。

ASIMOをはじめとするロボティクス研究で培った技術を活用して開発されたもので、座って体重移動するだけで歩くように6km/h以下で移動できる電動モビリティだ。操縦にレバーやハンドルなどを必要としないため両手を自由に使えること、体重移動という操縦のわかりやすさもあって、小さな子どもから高齢者まで幅広い年齢層の利用が期待できる。

ユニワンの活用イメージ。両手が空くため、幅広いユーザーに快適な移動が提供される。

ユニワンは2022年の国際ロボット展ではじめて公開され、2023年には有償実証実験を開始2025年1月には「移動用小型車」として型式認定を取得したことで、公道走行も可能になった。ただし、2025年9月の販売開始にあたっては、公道走行は想定されていない。

利用シーンは主に屋内・屋外の施設の中での回遊や、オフィスでの業務負荷軽減などだ。施設内での長時間歩行に不安を抱えるひとの外出をあと押しし、一方でオフィス業務では両手を自由に使える設計を活かした労働生産性向上に貢献するといった活躍が期待されている。

歩くときに無意識で行なっている体重移動を

今回、ユニワンの販売開始と稼働予定の発表に合わせて、体験会も実施された。

外観は白い椅子の四隅にタイヤが装着されている……そんな印象だが、実はこの4つのタイヤは駆動輪ではなく、乗降するときにボディを安定させるローポジションで展開するもの。

写真は四隅のタイヤで安定させる「ローポジション」で、この状態で走行することはできない。

一方で、走行形態とも言えるハイポジションでシート位置は15cm高くなることもあって、目線の高さは立っているときとそう変わらない印象だ。大きな違いは両サイドの「2輪だけで立っている」ということ。ユニワンが自動制御を行なってバランスをとっており、この状態で体重移動せずに座っているだけなら移動することなくユラユラ不安定になることもない。少し不思議な感覚になる。

前後方向に回転するタイヤに、横方向へ回転するベルトが無数に組み込まれる、ホンダ オムニ トラクション ドライブ システムが搭載されている。

ここからお辞儀をするように体重を前にかけると前進、首をかしげるように横に体重をかけるとその場で方向転換する。前進と方向転換を同時に行えば旋回となる。実践できなかったが、微速ながら後退もあるようだ。いずれにしても、ひとが歩くとき無意識に行なっている体重移動を意識的に行うことで移動できるモビリティであり、操縦の難しさは感じない。

走行中にヒトやモノにぶつかったとしても、その衝撃を吸収するような動きでいなして安定させ、もし吸収しきれずに不安定な状況になっても緊急的にローポジションへ移行して転倒を防いでくれる。ちなみに、駆動用の2輪はカバーによりほとんど見ることはできないのだが、これはひとと衝突したときに相手を怪我させない工夫でもあるのだという。

スラロームをジグザグに走行。体を傾けると速度の微調整が難しいので頭を傾けるようにして体重移動する。

交換式のリチウムイオンバッテリーを搭載して走行可能時間は約3時間、距離にすると10kmほど。広大な敷地面積を持つアウトレットモールやテーマパークなどでお客が乗って移動、配達スタッフや警備員が巡回するために乗る、また病院では座位バランスを取ることが困難な人のためのリハビリトレーニングツールなど、場所や用途はさまざま。

また、AR(拡張現実)グラスを組み合わせて、水中や空中、そして宇宙空間を浮遊するような擬似体験できるコンテンツも検討されており、ユニワンの用途は今後も多方面へ拡大していくだろう。

テーマパークへの導入も決定

販売は、日本国内の法人を対象に、公式ウェブサイトを通じて行われる。ユニワン本体のほか、交換式バッテリーやメンテナンス、保険(対人・対物)をパッケージとした「サービス契約」の形式で提供。販売予定台数は2030年までの5年間に1000台(200台/年)を計画している。

なお、大分県の屋外型施設「サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド」はすでに導入を決定しており、2025年10月19日から稼働を開始するという。まずは10台が導入されて、内2台はスタッフ用、8台は来場者向けに配備されるという。利用方法はまだ確定していないが予約制になることが予定されている。

同施設は親子三世代をはじめ幅広い層の来園者が訪れる場所であるため、長時間の歩行が困難な人々にもパーク内の快適な移動体験が提供されることになるだろう。

【ユニワン月額料金/1台】

10台未満 10台以上 3年契約 12万円 10万円 6年契約 9万円 8万円

※期間限定のイベント用に、1日から利用できる「短期レンタルサービス(UNI-ONE、バッテリー2個、充電器、保険)」を、1日当たり5万5000円/台で提供。


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バイクライフに役立つ豆知識やワンポイントアドバイスをお届けする「JAPAN RIDERS」の人気企画が「JAPAN RIDERS 知恵袋」。その中から注目の記事を毎週月曜日にお届けします。今回は「ヘルメットのあごひも」に関するお話です。ヘルメットがグラついたり、脱げたりしないよう、あごひもをしっかり締めて走行しましょう!MODEL:梅本まどか

ライダーの頭部を護ってくれる最も重要な装備がヘルメット。そのヘルメットの保護性能をしっかり発揮させるために、あごひもはしっかり締めましょう。

転倒した際、頭部に受ける衝撃の方向は予測不可能なので、乗車の際はしっかりヘルメットを頭部に固定しておく必要があります。また、転倒や事故の際にヘルメットが脱げてしまうと致命傷につながる場合があります。そのため、あごひもをきちんと締め、ヘルメットが脱げないよう固定しておく必要があるのです。

ヘルメットの取り扱い説明書をよく読んで、ヘルメットがグラついたり脱げたりしないよう、あごひもを適切に締めましょう。また、あごひもが傷んで変形すると、所定の性能を発揮できないおそれがありますので、定期的にあごひもの状態をチェックして、毛羽立ちやほつれがないか確認しておきましょう。

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