ウクライナ大統領が汚職対策機関の独立性復活へ、抗議デモ受け方針転換

 7月24日、ウクライナのゼレンスキー大統領(写真)は、汚職対策機関の独立性を回復させる法案を提出した。7月10日、ローマで撮影(2025年 ロイター/Guglielmo Mangiapane)

[キーウ 24日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、汚職対策機関の独立性を回復させる法案を提出した。

 今週、国家汚職対策局(NABU)と特別汚職対策検察庁(SAPO)に対して、政治任命される検事総長の統制力を強化する法律が成立した後、戦時下で異例の抗議デモが国内各地で発生し、方針転換を迫られた形だ。

 ウクライナでは戦時戒厳令によって集会が制限されているものの、全土で数千人が抗議デモに参加した。

 NABUとSAPOは声明で「大統領が提出したこの法案を通じて両機関は有する全ての権限を取り戻し、独立性が担保される」と述べ、議会に対して速やかに採決するよう要請した。

 検事総長による統制強化の狙いは、ロシアの影響力排除にあった。21日には安全保障当局が汚職対策機関の職員2人をロシアとのつながりがあるとの疑いで拘束し、他の職員への捜査にも着手している。

 ゼレンスキー氏は、今回提示した法案でも、ロシアの影響力から法執行システムを守る仕組みが確保されていると強調した。

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