新型PSP、ほぼ全てのPS5ソフトをプレイできる?ソニーが水面下で準備中のうわさ(多根清史)

多根清史アニメライター/ゲームライター
(写真:ロイター/アフロ)

ソニーが開発中と噂される新たな携帯型PlayStation、いわば新型PSPについては、これまでにも何度かお伝えしてきました。今回の最新情報として、ソニーがPS5の「省電力プレイ」機能を活用し、ゲーム開発者に新型PSPの発売に向けて準備させている可能性があると報じられています。

次世代PlayStationは据え置き型のPS6と携帯型システムの2本立てとみられています。このうち携帯型は低電力で稼働し、ラスタ性能(GPUの基本性能)はPS5の約半分ながら、レイトレーシング性能はPS5以上と予想されています。さらにPS4/PS5のソフトが動作することも有力視されています

この新型PSPでカギとなるのがPS5の省電力プレイです。これは消費電力を20〜50%削減(230W→100W未満)しつつ、90%の性能を維持するものです。つまり、電力や発熱の制約が厳しいポータブル端末でPS5ゲームを動かすのに欠かせない機能です

今回の情報は、テック系YouTubeチャンネル「Moore’s Law Is Dead」(以下MLID)が発信しています。このチャンネルは、PS5やXbox Series X/Sのプロセッサを開発したAMDの未発表チップに詳しく、PS5 Proについても正式発表前に正確なリークを伝えていました。

最新の動画によると、ソニーは開発スタジオに対し、省電力プレイに直接対応するよう強く促すメールを送り、チュートリアルやドキュメントを提供しているとのことです。

さらに、60FPSを維持しつつ解像度を下げること、Razer CPUツールでCPUボトルネックを特定・削減すること、スレッド数を最適化することを強く促しており、まだ対応していない開発者に苛立ちを見せているとされています。

要するに、「どの処理が重い(ボトルネック)かを見つけて減らし、並行処理(スレッド)の数を減らし、全体を軽くしてほしい」と急かしている状況です

まとめると、省電力プレイでは画面の解像度を下げ、代わりにフレームレートを維持する方向性です

MLIDはこれを「省電力プレイはPS6ハンドヘルド対応を発売前に準備するためのトロイの木馬」だと推測しています。単に消費電力を減らす環境への優しさではなく、新型PSP向けの隠し互換性プロファイルというわけです。

これにより、新型PSPはPS5ゲームを動作させることが可能となり、最適化されたタイトルであれば、PS5並みかそれ以上の性能を発揮できるはず。最適化されていない場合でも、多少のカクつきはあるものの、一応プレイできるレベルに達するでしょう。

Switch 2は性能が向上したためPS5向けゲームの移植が可能になりましたが、すべてではありません。もしPS5のゲームほぼすべてが遊べる新型PSPが登場すれば、非常に大きなインパクトがありそうです

アニメライター/ゲームライター

京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、マグミクスで記事を執筆中。

*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: