話題株ピックアップ【夕刊】(3):伊藤園、ファストリ、INPEX

伊藤園 <日足> 「株探」多機能チャートより
■伊藤園 <2593>  3,345円  -54 円 (-1.6%)  本日終値  伊藤園<2593>が冴えない。同社は前営業日となる2日の取引終了後、25年4月期の連結業績に関し、最終利益が計画を35億円下回る137億円(前の期比12.5%減)で着地したようだと発表。増益予想から一転、減益で着地する見込みとなり、嫌気されたようだ。売上高は計画に対し54億円上振れし、4720億円(同4.0%増)で着地したもよう。一部飲料製品の価格改定が寄与した一方、競争激化に伴うリベートの増加や広告宣伝費の先行投資が利益を圧迫した。

■ファーストリテイリング <9983>  47,380円  -610 円 (-1.3%)  本日終値

 ファーストリテイリング<9983>は軟調。連休前2日取引終了後、4月度の国内ユニクロ売上速報を発表し、既存店とEコマースを合わせた売上高は前年同月比1.3%減と6カ月ぶりに前年実績を下回った。客単価は同0.2%増と微増したが、客数が同1.4%減となった。月の前半を中心に気温が低く推移したことで夏物商品の需要が盛り上がらず、販売が伸び悩んだ。これを嫌気されているようだ。

■INPEX <1605>  1,811円  -13 円 (-0.7%)  本日終値

 INPEX<1605>が3日ぶり反落。原油価格が下落基調となるなか、同社株は軟調な値動きとなっている。米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の6月限は5日に一時55ドル台前半まで下落し約4年ぶりの水準に値を下げた。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどで構成する「OPECプラス」が3日、6月に生産を日量41万1000バレル増やすと決定したことから、原油の需給悪化懸念が広がった。トランプ関税などを背景に、世界的な景気悪化懸念が膨らんでいることも原油価格の下落要因となった。ただ、中東情勢への懸念から下値には押し目買いも流入し6日のWTI価格は59.09ドルに値を上げている。

■東宝 <9602>  7,733円  -43 円 (-0.6%)  本日終値

 映画関連株が安い。トランプ米大統領が4日、外国で制作された映画に100%の関税を課す方針を表明した。映画業界の混乱を招くとの懸念から、日本の連休中に米国株市場ではネットフリックス<NFLX>などが下落する場面があった。連休明けの東京市場でも関連銘柄を売る動きが広がり、東宝<9602>や東映<9605>が軟調なほか、ソニーグループ<6758>が下落。東映アニメーション<4816>も大幅安に売られている。

■カウリス <153A>  1,449円  +300 円 (+26.1%) ストップ高   本日終値

 カウリス<153A>の上値追い鮮烈、前週末のストップ高に続き、きょうも一時値幅制限上限となる300円高は1449円まで駆け上がる人気となった。法人を対象にクラウド型不正アクセス検知サービスを展開するが、ここ証券口座乗っ取り被害が甚大化の傾向をたどるなか、同社の活躍機会が高まるとの思惑が投資資金攻勢の背景にある。そうしたなか、7日付で貸株申し込み制限の対象となり、新規売り停止及び現引停止の規制がかかった。市場に流通する株式が不足している状態を示すもので、需給相場に拍車がかかる状況となった。株価は直近3営業日合計で約1.5倍化しており、否応なくマーケットの視線を集めている。

■TOKYO BASE <3415>  288円  +26 円 (+9.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

 TOKYO BASE<3415>がマドを開けて大幅高、一時7.3%高と値を飛ばし281円まで水準を切り上げる場面があった。アパレルのセレクトショップを運営し、ファッション性の高い若年層を主要顧客に「STUDIOUS」や、国内ファッションブランド商品を取り扱う「UNITED TOKYO」などで需要獲得を進めている。前週末2日取引終了後に発表した4月の既存店売上高は前年同月比8.2%増と好調だった。今期に入ってから2月、3月と比較しても伸び率が加速しており、これを材料視する買いを呼び込んだ。ここ株価は5日移動平均線をサポートラインに底入れの動きを明示していたが、きょうは同移動平均線を一気に上放れ、戻り足を鮮明とした。

■ワンダープラネット <4199>  1,085円  +88 円 (+8.8%)  本日終値

 ワンダープラネット<4199>が4日続伸し、年初来高値を更新した。同社はきょう、iOS及びAndroid端末向けに配信中の「クラッシュフィーバー」が全世界で1500万ダウンロードを突破したことを明らかにしており、これが株価を刺激しているようだ。

■フジプレアム <4237>  336円  +23 円 (+7.4%)  本日終値

 フジプレアム<4237>が動意含みの展開となっている。300円近辺のもみ合いを経て、きょうは4.5%高の327円に買われ、上値指向を明示している。独自の精密貼合技術を生かしディスプレーパネル関連分野などで強みを発揮するほか、OEM供給を主軸に太陽光発電システム関連商品の製造販売でも高実績を誇る。次世代商品として注目度の高いペロブスカイト太陽電池にも積極的に取り組んでいる。そうしたなか、経済産業省がペロブスカイト太陽電池について、東京をはじめ、大阪、名古屋、福岡の4つの大都市圏に導入目標の策定を要請することが報じられ、これが同社株を刺激する格好となっている。東京都は2040年までに55万世帯分の年間電力消費量を設置目標として表明することも伝わっており、同社の将来的な商機拡大への思惑が材料視されている。

■高松機械工業 <6155>  482円  +27 円 (+5.9%)  本日終値

 高松機械工業<6155>が大幅続伸し、年初来高値を更新した。同社は前営業日となる2日の取引終了後、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高予想は前期比10.0%増の152億8700万円、営業損益予想は1億3800万円の黒字(前期は1億6000万円の赤字)となる見通しを示した。また、今後3カ年の中期経営計画を公表。28年3月期に売上高を180億円、営業損益の黒字額を9億円に伸ばす方針を示しており、これらを材料視した買いが入ったようだ。中期計画ではコスト削減や業務合理化を推進しつつ、自動車部品加工事業から撤退し、主力の工作機械事業に経営資源をシフトさせる方針を示している。今期の年間配当予想は前期と横ばいの10円とするものの、年間配当の下限を10円とするとともに、連結配当性向について40%程度を目安とする新たな配当方針を示した。25年3月期業績に関しては海外向け売上高が見込みよりも増加したことを背景に赤字幅が計画よりも縮小して着地した。

■ピアラ <7044>  323円  +18 円 (+5.9%)  本日終値

 ピアラ<7044>が強い動きとなっている。同社はきょう正午ごろ、6月に日本国内での導入が予定されているTikTokのEC機能「TikTok Shop」の展開に先駆け、クリエイター向けのコマース支援を開始すると発表。これが材料視されているようだ。これは、同社が培ってきたSNSマーケティングや広告運用の知見に加え、グループ会社が手掛けるライブ配信やEC運用面での支援機能を組み合わせ、クリエイターの企画・発信・販売活動を一貫してサポートするもの。今後は「TikTok Shop」の国内展開を機に、クリエイターを起点としたコマースモデルの構築を更に加速させるとしている。 ●ストップ高銘柄

 いつも <7694>  655円  +100 円 (+18.0%) ストップ高   本日終値

 など、2銘柄 ●ストップ安銘柄  なし 株探ニュース

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