「諦めずにやって良かった」県岐阜商・横山温大選手が振り返る甲子園

2025年8月21日16時40分

 (21日、第107回全国高校野球選手権大会準決勝 日大三4―2県岐阜商=延長十回タイブレーク)

 県岐阜商(岐阜)が日大三(西東京)に準決勝で敗れ、決勝進出とはならなかった。今大会で注目を集めた横山温大(はると)選手(3年)が試合後、宿舎で取材に応じた。

 ――MLBで活躍する吉田正尚選手が横山選手にエールを送った、という記事があった

 そこまで届くんだなって。メジャーリーグで活躍する選手にまで自分のことを知ってもらってうれしい。諦めずにやって来て、良かったなって思えた瞬間でした。

 ――吉田正尚選手は横山選手にとってどんな存在か

 小さい頃から目標としていた選手で、バッティングフォームも参考にしていた。同じ外野手としてとても憧れていた選手で、自分のプレーが届いたのはとてもうれしかった。

 ――家族からは試合前にどんな連絡があったか

 兄からは「今日も吉田選手みたいにたくさんヒット打って頑張れ」、母からは「温人らしく最後まで頑張って」とエールをもらいました。

 ――今日は同点に追いつく犠牲フライを放った

 チャンスだったので、どんな形でも同点に、自分が決めるぞって気持ちで打席に立ちました。

 ――岐阜大会の初戦からずっとヒットを打ってきた。今日の試合を振り返って

 前の試合までヒットを打っていたが、今日の試合はヒットが出なくて。その後の良い場面でも打てなかったので、投手を助けられず申し訳ないと思っていました。

 ベスト4まで来られたことに自信を持ってやってきた。悔いは残ってないので、胸を張って岐阜に帰りたいです。

 ――試合後に涙は見せなかった

 一番は、やり切ったという気持ち。悔しいという気持ちもあったんですけど、出し切ったという気持ちが強かったので、堂々と胸張って最後までいようと思っていました。

 ――全国のたくさんの方に横山選手の頑張りが届いたと思う

 今までハンデがあっても、他の人に負けないくらいしっかりできるんだぞっていうところを、4強という舞台まで示せたのは良かったですし、自分みたいな境遇の子たちでも、勇気とかを持ってもらえたかなと思います。

 周りの人たちにも、困難があっても乗り越えられるような、勇気を与えられたかなと思っています。

 ――今日の甲子園でも歓声が上がっていたが

 歓声はめっちゃ届いていて、その声援に後押しされて「絶対打ってやるぞ」という気持ちで打席に立ちました。

 ――今後は

 いろんなレベルでもっともっと野球を頑張りたい。大学に行って、もっともっとレベルアップして、その先でも長く野球をやっていけるように、頑張っていきたいです。

 ――次の夢は

 プロをめざして頑張っていきたいですし、後押ししてくれる方がたくさんいる。そんな甘くない世界だと思いますし、簡単に言っていいのか分からないですけど、そこまで行けるようにこれからもっともっとレベルアップして頑張っていきたいです。

 ――たくさんの人が応援してくれた

 アルプスを見たら満員で、とても自分たちは愛されているなと感じて、ここまでやってきてよかったなって思いました。

 ベスト4まで、みんなの支えがあって来れたので、胸を張って自分たちも岐阜に帰りたいなと思ってます。

 ――日々注目度が高まったが、甲子園の期間はどうだったか

 試合が進むにつれて注目してもらったんですけど、プラスに考えて、もっともっと活躍して注目されるように頑張ろう、という気持ちでいました。ここまで来れて本当に良かったなと思います。

 ――ハンデがある人や困難がある人に向けて、何かメッセージがあれば

 苦労したところとか、困難とか壁にぶち当たった時があったんですけど、そういうことを乗り越えて、そういうことがあったからこそ、今この舞台まで自分は立てたと思う。

 もちろん、周りの支えがあって、ここまで来れた。感謝の気持ちを忘れずに、しっかり諦めずにやってきたので、自分はこうやってこの舞台に立てて、ここまでやってきて良かったなと思いますし、これから高校生になる子たちに、こういう壁とかに当たったとしても、諦めずに努力すれば、この舞台までこられるんだぞっていうところを、示せたのかなって思います。

 ――夏が終わった今、両親や家族に伝えたいことはあるか

 両親には今までたくさん迷惑をかけてきましたし、支えてもらったので、その恩返しができたのかなって思います。今までの感謝の気持ちを帰って伝えたいです。

 お兄ちゃんお姉ちゃんへの憧れもあって野球を始めたので、お兄ちゃんお姉ちゃんの夢でもあった甲子園に連れて来れたのはとても良かったかなと思います。(渡辺萌々香、原晟也)

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