米経済は堅調、貿易摩擦が見通しに暗雲=バーFRB理事

米連邦準備理事会(FRB)のバー理事は15日、米経済は堅調でインフレ率はFRBが目標とする2%に向かっているものの、米政権の貿易政策により見通しに暗雲が立ち込めているとの認識を示した。2023年3月撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のバー理事は15日、米経済は堅調でインフレ率はFRBが目標とする2%に向かっているものの、米政権の貿易政策により見通しに暗雲が立ち込めているとの認識を示した。

バー氏は中小企業シンポジウムでの講演原稿で「経済成長は堅調で、失業率は低水準で安定しており、インフレ率は2%目標に向けて低下し続けている」と言及。

一方、二転三転する米政権の貿易政策は「不確実性の増大を招き、企業や消費者心理の悪化原因となる」と指摘した。

金融政策の見通しについては言及しなかったものの、貿易の混乱がサプライチェーン(供給網)に及ぼす影響は「とりわけ中小企業にとって深刻」で、価格ショックにつながる恐れがあると指摘。

生産ネットワークにおいて重要な役割を果たす中小企業の倒産は、サプライチェーンに一段の混乱をもたらす可能性があり、「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)時に見られたようなこうした混乱は、価格だけでなく生産量にも大きく長期的な影響を及ぼす可能性がある」と警鐘を鳴らした。

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