日銀、0.75%への利上げ観測が強まる #エキスパートトピ

　日銀は18、19日の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%引き上げ、0.75%とするとの観測が強まっている。

　利上げは今年1月会合以来と11か月ぶりとなる。

　政策金利は1995年9月に0.5%に引き下げられて以来、0.75%を付けたことはなく、実に30年ぶりの水準となる。

　高市首相も利上げを容認する姿勢を示しており、片山財務相も日銀と齟齬ないとして、利上げを事実上、容認する姿勢を示していた。　

ココがポイント

日銀が１８、１９両日に開く金融政策決定会合で、政策金利を引き上げる方針を固めたことが１２日、分かった。出典：時事ドットコム　2025/12/13(土)

0.75%程度の政策金利では物価水準からみてもまだ低すぎる。このため、どこまで利上げを進めるべきなのかが今後の焦点となる出典：久保田博幸　2025/12/13(土)

日銀が18、19日に開く金融政策決定会合で政策金利の引き上げに向け調整に入ることが12日、分かった。出典：共同通信　2025/12/12(金)

エキスパートの補足・見解

　12月18、19日の日銀金融政策決定会合での利上げの可能性はありうるとみていたが、それに対して問題のひとつが高市政権にあった。

　その高市首相が、円安や長期金利の上昇に警戒心を抱いたようである。

　ロイターの記事にもあったが、高市氏はもともと勉強熱心で「何事も自分で理解しないと気が済まないタイプ」（内閣官房関係者）と言われ、足下の市場動向についてたびたび関係省庁から説明を受けるうちに、対応が必要だとの思いを強くしたとみられる。

　これを受けて、高市氏の支持層のひとつリフレ派の一部と距離を置いたといった観測も出ていた。

　高市政権が利上げにゴーサインを出したことで、一気に金融政策の正常化の再開の機運が高まったとみられる。

　市場ではすでに0.75%への利上げはかなり織り込み済みとなっている。

　焦点は今回の利上げ以降も金融政策の正常化、つまりどの水準まで利上げが継続できるのかに移っている。

　0.75%への利上げでも円安の勢いは止まらず、物価も高い水準が続くとなれば、ある程度の水準までの利上げは必要となる。

　政策金利の1.5%がひとつの到達目標とみており、半年毎にあと3回の0.25%の利上げで達成することになる。