中国に米国産大豆購入拡大を要望、トランプ氏「早急に4倍」
[10日 ロイター] - トランプ米大統領は10日、中国が米国産大豆の購入を4倍に増やすことを望むと自身の交流サイト(SNS)に投稿した。投稿を受け、米大豆先物は上昇したが、アナリストからは実現性を疑問視する声があがっている。
トランプ氏は「中国は大豆不足を心配している。わが国の偉大な農家は、最も丈夫な大豆を生産している。中国が早急に大豆の注文を4倍にしてくれることを願っている」と投稿。「迅速なサービスを提供する。ありがとう、習近平国家主席」とした。
投稿を受けてシカゴ商品取引所(CBOT)の大豆先物の中心限月は上昇し、0637GMT(日本時間午後3時37分)時点で2.38%高の1ブッシェル=10.18ドル。
中国は世界最大の大豆の買い手で昨年は約1億0500万トン輸入した。米国産はその4分の1弱を占め、残りの大部分はブラジル産だった。4倍に増やすとなると、ほぼ全量を米国から輸入することになる。アグレーダー・コンサルティング(北京)の創設者ジョニー・シャン氏は「中国が通常の4倍の量の大豆を米国から購入する可能性は極めて低い」と述べた。
米中は7月下旬にストックホルムで開いた閣僚級協議で、相互に一時停止している関税措置の停止期間を8月12日からさらに90日延長する方針を確認した。中国が米国産大豆の輸入拡大に同意することが停止期間延長の条件なのかは不明。中国商務省は、ロイターのコメント要請に応じていない。
第1次トランプ政権で米中が締結した通商合意第1弾では、中国が大豆を含む米国産農産物の輸入を拡大することが盛り込まれた。しかし中国の輸入は最終的にその目標を大きく下回った。
中国は近年、米国産大豆への依存度を着実に下げ、調達先を南米にシフトしてきた。今年、中国にはまだ第4・四半期の米国産大豆購入の動きが見られないという。米国の大豆生産家は代替売却先を探しているが、中国に匹敵する国は他にない。
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Lewis is Reuters’ Chief Correspondent for China Commodities and Energy, based in Beijing. He leads a team covering agriculture, metals, and energy in the world's largest consumer of commodities. Before moving to China, he wrote for Reuters in Sydney.