ロシア軍が弾道ミサイル14発と長距離ドローン250機で大規模攻撃、ウクライナ首都キーウ上空で迎撃戦闘(JSF)
2025年5月24日のウクライナに対するロシア軍の長距離攻撃は合計264飛来(ドローン250機と弾道ミサイル14発)という大規模なものでした。これは過去最大だった2025年5月18日の273飛来(ドローンのみ)や2025年2月23日の270飛来(ドローン267機と弾道ミサイル3発)に匹敵する規模となっています。
今回の迎撃戦闘では飛来したドローン(自爆無人機および囮無人機)のほとんどは排除に成功しましたが、弾道ミサイルの約半数は迎撃しきれず突破され、首都キーウを中心に被害が出ています。(※「排除」という表記についての説明記事)
2025年5月24日迎撃戦闘:ウクライナ空軍司令部
- イスカンデルM/KN-23弾道ミサイル×14飛来6撃墜
- 敵性無人機×250飛来245排除(128撃墜+117未到達)
※ウクライナ語の解説
264 засобів повітряного нападу
ЗБИТО - 6 БР Іскандер-M/KN-23
- 撃墜 - 6発の弾道ミサイル、イスカンデルMまたは北朝鮮製KN-23
ЗНЕШКОДЖЕНО - 245 БПЛА
- 128 уражено вогневими засобами
- 117 локаційно втрач./подавлено РЕБ
- うち117機は位置喪失(未到達)。/電子戦妨害の影響も
※БР : Балістична ракета, 弾道ミサイル
※БПЛА : Безпілотний літальний апарат, 無人航空機
※РЕБ : Радіоелектронна боротьба, 無線電子戦
5月24日の迎撃戦闘は弾道ミサイルに対して迎撃率43%、長距離ドローンに対して迎撃率96%(未到達を除外して計算。未到達を含めた排除率ならば98%)となっています。ドローンは250飛来中5機の突破を許したのみでほぼ完封に近い高い迎撃率です。一方で迎撃が困難な高速目標である弾道ミサイルは14飛来中8発の突破を許し、半数以上が撃ち漏らしとなっています。ただし弾道ミサイルを迎撃可能な防空システムがパトリオットしかない数が不足した状態の中では、善戦した結果だと言えます。
キーウに着弾したロシア軍の弾道ミサイル
炎上するキーウ
迎撃ミサイルが打ち上がる様子(対弾道ミサイル)
弾道ミサイルを撃墜した瞬間
撃墜した弾道ミサイルの残骸(9M723はイスカンデルMのこと)
撃墜したドローンの残骸が落下する様子(シャヘド136自爆無人機)
機関砲の射撃(対ドローン)
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