米学校銃撃で13人殺傷、16歳被告に仮釈放なし終身刑 浮かび上がった過酷な家庭環境

(CNN) 米ジョージア州で2024年に教員と生徒4人が射殺された学校銃撃事件で、殺人などの罪に問われたコルト・グレイ被告(16)に対して28日、仮釈放なしの終身刑が言い渡された。

ニコラス・プリム裁判官は、「あなたの犯行は、恒久的に更生が不可能であることを表している。あなたが犯した悪意ある殺人それぞれについて、仮釈放なしの終身刑を言い渡す」と述べた。

コルト被告はこの判決に反応する様子を見せなかった。量刑言い渡しに先立つ法廷での発言は拒んだ。

事件は24年9月にジョージア州のアパラチー・ハイスクールで発生。コルト被告の銃撃により、教員2人と生徒2人が命を落とし、9人が負傷した。

判決が言い渡されると、遺族や被害者の嗚咽(おえつ)の声が法廷内に響いた。

判決言い渡しまでの3日間にわたって行われた量刑審理では、遺族らが証言に立ったほか、コルト被告の警察に対する供述内容や動機、精神状態などにも踏み込んだ。

検察側は、「育った環境が悪かったことは知っている。だがこの法廷ではもっとひどいケースもたくさんあった」「ジョージア州の歴史において、ただ有名になりたいというだけの理由で殺傷ライフルを公立学校に持ち込み、他人を銃撃した人物はほかにいない」と述べ、仮釈放なしの終身刑を求刑した。

これに対して弁護側は、まだ更生の余地はあるとした上で、10代の被告に仮釈放なしはあまりに過酷だと主張して、仮釈放の可能性がある終身刑を求めていた。

24年9月4日の事件当日、学校関係者は当時14歳だったコルト被告の不穏当な発言を受け、犯行を阻止しようとしていた。しかし手違いによって、コルト被告とよく似た名前の別の生徒を取り違えた。

コルト被告はAR15式のライフル銃をバックパックに隠して登校。数学の授業中、無差別に発砲し、廊下でも数人を銃撃した。

警察はその日のうちにコルト被告の身柄を確保した。コルト被告は4件の殺人を含めて55件の罪に問われ、24日に罪状を認めた。

米最高裁は、未成年者に死刑を言い渡すことはできず、特異な状況に限り仮釈放なしの終身刑を言い渡すことができるとの判断を示している。プリム裁判官は、今回の事件がそうしたケースの一つだったと考えると述べた。

コルト被告の父親のコリン・グレイ被告も3月に有罪判決を受け、30日に量刑が言い渡される。コリン被告はクリスマスプレゼントとして息子にライフル銃を買い与え、安全な保管を怠ったとして殺人などの罪に問われた。

両親の虐待や薬物乱用

父親の裁判では、コルト被告が育った過酷な家庭環境が浮かび上がった。28日に証言に立った祖母や州当局者もそうした環境を裏付けた。

コルト被告の母親は薬物やアルコール依存に苦しみ、一家は転居を繰り返していた。学校の記録によると、コルト被告は欠席が多く、8年生(中学2年)の時は年間を通じて欠席した。家族はコルト被告の精神状態悪化のことを口にしていた。

祖母は一家の生活が不安定になっていった経緯を説明し、父親も母親も「全く機能していなかった」と指摘。コルト被告は両親との間に問題を抱えていたと振り返った。

「父母との生活で最も苦労しているように見えたのはコルトだった」と祖母は言い、適切な精神衛生治療を受ければ孫は立ち直れると確信していると語った。

「私が知っているコルトは昔も今も、こんな事件を起こしたコルトとは違う」と祖母は訴えた。「彼の精神状態はひどく歪(ゆが)んでいた。自分は有名になるためにそうするしかないと自分に言い聞かせていた。ずっと望んでいたのは、友達ができること、仲間に入れてもらって愛されることだけだった」

ジョージア州家族・児童サービス局長は28日の証言で、コルト被告の両親は児童虐待やネグレクトに関して「問題だらけ」だったと明らかにした。

昨年10月には母親がコルト被告との接触を制限する裁判所命令に違反したため、コルト被告は緊急措置として里親に預けられ、母方の祖母が後見人に指名された。

母親に対する接触禁止命令と薬物療法の開始によって、コルト被告は「本質的に違う子どもへと変わった」と同局長は証言。食事や睡眠の状態が改善し、少年拘置所のプログラムにも積極的にかかわるようになったという。

母親は今回の事件に関連した罪には問われていない。検察によると、母親には親権がなく、事件当時、銃器も所持していなかったことから訴追はされなかった。

関連記事: