そういや「戸田恵子」役は誰がやるの? 『あんぱん』残り1か月で「登場する可能性大」な実在の重要人物たち
『あんぱん』の物語も終盤となりましたが、まだまだ今後登場しそうな重要人物は多々います。いったい誰が演じるのでしょうか。
『アンパンマン』の作者、やなせたかしさんと妻の暢さんをモデルにした2025年前期のNHK連続テレビ小説『あんぱん』は、9月26日(金)に最終回を迎ええます。8月27日放送の108話時点では、物語はまだ1960年代後半で、「柳井嵩(演:北村匠海)」も『アンパンマン』の原型となる物語を書いたばかりです。
『あんぱん』の主人公は嵩ではなく妻「のぶ(演:今田美桜)」のため、残り放送1か月ほどのドラマでは、暢さんが病気で亡くなった1993年までを中心に描いて、2013年に亡くなったやなせさんの残りの人生のパートは短くなるかもしれません。それでもまだまだ描くべき出来事は多々あります。今回は1993年までしか描かれないと仮定しても、おそらく登場するであろう、実在の重要人物に着目します。
まず、やなせさん夫妻両方と親交が深かった越尾正子さんは、終盤に出てきそうです。1948年生まれの越尾さんは、20代後半の頃に同じ茶道教室にいた暢さんと知り合い、その後独立した暢さんの教室に通うようになります。
そして1992年の春、越尾さんは43歳で勤めていた協同組合を辞め、暢さんに「うちで働かない?」と誘われました。越尾さんの書籍『やなせたかし先生のしっぽ: やなせ夫妻のとっておき話』(小学館)によれば、それまでやなせさんの仕事を手伝っていた暢さんの妹、瑛(えい)さん(河合優実さん演じる「蘭子」のモデル)が、高齢で体調不良にもなっていたため、もろもろの仕事を越尾さんが引き継ぐことになったそうです。
その後、越尾さんはやなせさんが亡くなるまで秘書を務め、2014年からはやなせさんの活動を引き継ぐために設立された、株式会社やなせスタジオの代表取締役を務めています。
『あんぱん』でも、のぶが嵩の母「登美子(演:松嶋菜々子)」の影響で茶道を始めているため、史実通りの流れで越尾さんに当たるキャラが登場するかもしれません。
また、1988年にはやなせさんの人生のなかでも特に重要な、『アンパンマン』のアニメ『それいけ!アンパンマン』がスタートします。それより少し前の1985年2月、やなせさんのもとへ日本テレビの武井英彦さんと、東京ムービー新社の加藤俊三さんが、別々に『アンパンマン』のアニメ化を打診してきたそうです。
ほかにもNHKなどからアニメ化の話があったそうですが、やなせさんは老齢で無理に仕事を増やしたくないからと断っていました。ただ、日テレの上層部から没にされても、「息子の通っている幼稚園で、手垢まみれのアンパンマンの絵本を見た」と、作品の人気を信じて諦めなかった武井さんの熱意もあって、東京ムービー新社も関わり、ついにアニメ化が実現します。
武井さんたちや、やなせさんのメッセージが詰まった主題歌「アンパンマンのマーチ」の作曲家である三木たかしさんなど、『それいけ!アンパンマン』に関わったスタッフたちを誰が演じるのかは気になるところです。
また、のぶが秘書を務めた政治家「薪鉄子」役の戸田恵子さん(アンパンマンの声)や、のぶが教師をしていた御免与尋常小学校の校長「古山時三」を演じた中尾隆聖さん(ばいきんまんの声ほか)、嵩の芸術学校の恩師「座間晴斗」役の山寺宏一さん(チーズ、2代目のジャムおじさんの声ほか)など、『あんぱん』に出演した『アンパンマン』声優たちの若き日は、誰が演じるのでしょうか。
上記の声優陣は間違いなく登場すると思われますが、本人たちが昔の自分を演じるのか、別の後輩声優、俳優が戸田さんたちの役をやるのか、どちらのパターンでも話題になりそうです。
そのほか、手塚治虫さんがやなせさんにキャラクターデザインを依頼したアニメ映画『千夜一夜物語』(1969年)の主演で、やなせさんとも顔見知りだった青島幸男さんや、1984年にサンリオに入社してやなせさんが編集長を務めた雑誌『詩とメルヘン』の編集者として働き、のちに『勇気の花が開くとき やなせたかしとアンパンマンマンの物語』(フレーベル館)や『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』(文藝春秋)を書いたノンフィクション作家の梯久美子さんなど、わずかでも登場しそうな著名人は多々います。
『あんぱん』完結まで残り約1か月、まだまだ新規キャストにも注目です。
参考資料:『人生なんて夢だけど』(フレーベル館 著:やなせたかし)、『アンパンマンの遺書』(岩波書店 著:やなせたかし)、『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』(文藝春秋 著:梯久美子)『やなせたかし先生のしっぽ: やなせ夫妻のとっておき話』(小学館 著:越尾正子)
(マグミクス編集部)