NY市場サマリー(13日)S&P・ナスダック最高値、ドル下落・利回り低下

<為替> 前日に続きドルが主要通貨に対し下落した。ベセント米財務長官が連邦準備理事会(FRB)に利下げサイクルを開始するよう求めたことで、FRBが来月の会合で利下げを決定する確率がほぼ100%織り込まれるなど、利下げ観測が強まっていることがドル売りにつながっている。

主要通貨に対するドル指数は0.2%安の97.856と、7月28日以来の安値を更新。前日の取引では0.5%下落していた。

前日発表の7月の消費者物価指数(CPI)が緩やかな上昇にとどまったことでFRBが9月の会合で利下げに動くとの観測が裏付けられ、ドルは軟調になっていた。この日は、ベセント財務長官がブルームバーグとのインタビューで「9月に50ベーシスポイント(bp)の利下げを開始し、一連の利下げを実施することが可能だ」とし、いかなるモデルも「金利がおそらく150─175bp低下すべきことを示唆している」と指摘。労働省発表の雇用統計で5、6月分の雇用者数が大幅に下方修正され、7月の雇用者数の伸びが鈍化したことが、9月に大幅利下げを求める根拠になると述べた。

NY外為市場:

<債券> 利回りが低下した。連邦準備理事会(FRB)による9月の利下げ観測が強まっている。また、前日12日の長期ゾーンの国債利回り上昇を受けて外国人投資家の買いが入ったことも背景。

フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む9月FOMCでの利下げ幅は計25.7ベーシスポイント(bp)と、FRBが50bpの大幅利下げに動く可能性を織り込み始めていることを示唆した。

ベセント財務長官は13日、米雇用統計で5、6月分の雇用者数が大幅に下方修正され、7月の雇用者数の伸びが鈍化したことを受け、9月に50bp利下げが行われる可能性が非常に高いと述べた。

2年債利回りは4.2bp低下の3.689%。

指標となる10年国債利回りは5.3bp低下の4.24%。

米金融・債券市場:

<株式> 続伸し、S&P総合500種(.SPX), opens new tabとナスダック総合(.IXIC), opens new tabが2日連続で最高値を更新して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ再開が近いとの期待が続いた。
ただ、前日に大きく上昇した一部の大型ハイテク株は軟調だった。投資家が新たな成長けん引役を模索する中、エヌビディア(NVDA.O), opens new tab、アルファベット(GOOGL.O), opens new tab、マイクロソフト(MSFT.O), opens new tabは下落した。
個別ではアップル(AAPL.O), opens new tabが1.6%高。人工知能(AI)を搭載したロボットやホームセキュリティー、スマートディスプレーなどへの事業拡大を計画しているとの報道が支援材料となった。

米国株式市場:

<金先物> 米早期利下げ期待が高まる中、米長期金利の低下や対ユーロでのドル安などを背景に、3営業日ぶりに反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比9.30ドル(0.27%)高の1オンス=3408.30ドル。

NY貴金属:

<米原油先物> 米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で原油在庫の積み増しが示されたことを受けて売られ、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.52ドル(0.82%)安の1バレル=62.65ドルと、中心限月清算値ベースでは、6月初旬以来約2カ月ぶりの安値となった。10月物は0.55ドル安の61.93ドル。

NYMEXエネルギー:

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