宇津元が90+5分“直接CK”劇的同点弾!! 0-2から追いついた大分がPK戦制して天皇杯3回戦へ!! 札幌はMF高嶺朋樹が失敗
天皇杯は18日、2回戦を各地で行い、大分トリニータが北海道コンサドーレ札幌をPK戦で破って3回戦進出を果たした。前半28分までに2点を先行されたが、同39分に1点を返すと、後半アディショナルタイム5分にFW宇津元伸弥が“直接CK”から劇的同点弾。最後は2-2で迎えたPK戦に5-3で勝利した。
試合は前半24分、ホーム札幌のスーパーゴールから始まった。MF木戸柊摩が大分のMF佐藤丈晟からボールを奪い、こぼれ球をFW中島大嘉がつなぐと、すぐにスペースにもぐった木戸がロングレンジから右足一閃。無回転のロングシュートをゴール左上隅に突き刺した。木戸は今季、大阪体育大から加入したルーキー。これが嬉しいプロ初ゴールとなった。
さらに札幌は前半28分、大分のセットプレーをGK児玉潤がキャッチし、左足パントキックを右サイドに通すと、そこでMF原康介が縦突破。巧みな“逆エラシコ”のフェイントで相手を抜き去り、グラウンダークロスからFW出間思努がダイレクトで決めた。原と出間は2005年生まれのプロ3年目コンビ。若き力が躍動し、2-0とリードを広げた。
一方、大分はボールを持たせるプランでシュート本数を重ねるが、決定機には至らない。それでも前半39分、中盤でMF松岡颯人と佐藤のユース出身コンビがかろうじてつなぎ、右のDF松尾勇佑がクロスを送ると、ニアでFW鮎川峻がつぶれ、流れたボールがファーサイドへ。そこに走り込んだDF薩川淳貴が左足で押し込んだ。薩川は直前のチャンスでのシュートを左ポストに当てており、2度目のチャンスで1点を返した。
後半も大分が安定した守備ブロックから敵陣に攻め込むシーンを作るが、札幌の守備陣も勝負際での対応がよく、決定的なシーンは作れない。すると札幌は少ないチャンスで途中出場のFWアマドゥ・バカヨコやFW白井陽斗がシュートを放ち、大分GKムン・キョンゴンに襲いかかる場面が続いた。
大分は後半33分、札幌の最終ラインの乱れを突いた鮎川が背後に抜け出し、GKと1対1の場面を作ったが、右足シュートは大きく枠を外れる。さらに勢いを強めた同45分、松尾からのパスを受けた鮎川がまたも右足で狙ったが、シュートはゴール左に外れた。またこのプレーで鮎川の足がつり、3度の交代回数を使い切っていた大分は10人でプレーする形となった。ところがそのまま試合が終わろうとしていた後半アディショナルタイム5分、大分が劇的なスーパーゴールで生き残った。連続セットプレーでGKムン・キョンゴンがゴール前に上がり、決死の攻勢を仕掛けると、FW宇津元伸弥の左CKがそのまま直接ゴールイン。後半13分の投入から存在感を放っていた25歳が起死回生の同点ゴールを奪った。
そのまま試合は延長戦にもつれ込み、両者とも疲れが見えるなかで前後半30分間を終え、PK戦へ。勝負が分かれたのは2人目、後攻の札幌はMF高嶺朋樹のキックがクロスバーに弾かれ、痛恨の失敗となった。その後は両チームともに成功が続き、5人全員が成功した大分が5-3で勝利した。
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