【来週の円相場】上昇へ、日銀決定会合で追加利上げ示唆の見方

山中英典

来週の円相場は上昇が予想される。日本銀行が30、31日に開く金融政策決定会合で追加利上げを示唆するとの見方から円買い圧力が強まりそうだ。

◎みなと銀行の苅谷将吾ストラテジスト

  • 日銀会合は経済・物価情勢の展望(展望リポート)でインフレ見通しが上方修正されそうで、日米通商合意もあってタカ派スタンスが示されそう
  • 週前半は様子見姿勢が強まるものの、日銀のタカ派姿勢を受けて円高気味に推移するだろう
  • 一方、石破茂首相の退陣を巡るヘッドラインが出れば円売りが強まり、150円を試す展開になりそうだ
  • 米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げは期待されておらず、結果発表後の為替相場の大きな動きは想定しにくい
  • 予想レンジは1ドル=145円-150円

◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト

  • FOMCに日銀会合、7月の米雇用統計と重要な材料が多く、相場は上下に振れる展開か
  • 日銀利上げ期待がドル・円の上値を抑える一方、石破首相の進退を巡る日本の財政悪化懸念が下値を支えそうだ
  • 7月の米雇用統計は若干の悪化が予想されている。ただ、緩やかな悪化なので早期の米利下げにはつながらない
    • トランプ大統領による利下げ圧力もあって、米金利は上昇しにくいとみる
  • 予想レンジは1ドル=145-150円
ドル・円 午後0時5分時点

週間予想

(ブルームバーグ為替レート予想モデル)

145円13銭-149円42銭 1週間物予想変動率 10.3150% 1週間物リスクリバーサル 0.7675%の円コールオーバー

来週の主な予定

  • 29日:7月の月例経済報告
  • 30日:4-6月期の米国内総生産(GDP、速報値)
  • 30日:FOMCが声明発表、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見
  • 31日:日銀の金融政策決定会合の結果発表、植田和男総裁会見
  • 8月1日:トランプ米政権が貿易相手国に対し上乗せ関税を発動
  • 8月1日:7月の米雇用統計
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