田久保市長の“学歴詐称”で市政大混乱 知人は「卒業していないと聞いた」と証言 市役所には苦情が鳴り止まず 会見で「個人的な状況で仕事に穴を開けない」と強調も公務を一部キャンセル

渦中にいるのは伊東市の田久保眞紀 市長。 元市議会議員で2023年の市議会議員選挙では最下位当選だったが、5月に行われた市長選挙で現職との一騎打ちを制し、“下剋上”を果たした。 田久保市長をめぐっては市長選に際して報道機関が依頼した経歴調査票に「東洋大学法学部経済法学科卒業」と記入されているほか、市が発行する最新の広報誌にも「平成4年 東洋大学法学部卒業」と記載されている。 ところが6月初旬、市議全員宛てに「東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している」という“告発文”が届いたことから、一部が問題視。 このため田久保市長は議長と副議長に対して“卒業証書”を見せ、その後、「証拠に基づかない“怪文書”には対応しない」との姿勢を打ち出した。 ただ、この時、頑なに複写を拒んだという。

このため、6月25日の市議会本会議では改めて田久保市長に対して大学を卒業しているのかを問う声があがった。 質問した杉本一彦 議員が入手した卒業アルバムには田久保市長の名前も写真も確認されなかったからだ。 しかし、田久保市長は「現在、この件については“怪文書”を誰が作り、議会に送ったことも含めて代理人弁護士を通じて必要な作業に入っている。このような“怪文書”という卑怯な行為を行う人間の一定の要求を満たすことは次の怪文書や市民に対する何か圧力をかける行為の助長になる」との考えを述べ、「この件に関してはすべて代理人弁護士に任せているので、あとのことは弁護人から公式に発言のない限りは私からの個人的な発言は控える」と疑惑への言及を避けた。 だが、翌26日に市議会が強い調査権限を有する百条委員会の設置方針を固めると、一転して方針転換。 そして、7月2日に開かれた会見で衝撃の事実が明らかになる。


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田久保市長の会見を受けて伊東市役所には電話やメールが殺到している。 その数は7月4日時点で約900件に上り、そのほとんどが「ふざけるな」「辞職しろ」といった苦情だといい、職員にとっては大きな負担だ。 また、会見では「自分がつらいからといって今の状況を全て投げ出して逃げ出すようなことはしたくない」「個人的な状況で仕事に穴を開けたり、いい加減な仕事をするのが信条に反するのでそこは意地でもしっかりとやっていきたい」などと話していた田久保市長だったが、4日に行われた県市長会の定例会議を欠席したほか、6日に予定していたイベントへの出席を見合わせるなど、一部の公務をキャンセル。 これには市議会の中島弘道 議長も「いろいろなところで逃げ出さないとか言っているけれど逃げ出しているじゃないですか。本当にもっと自分を見つめてしっかりと責任を取ってもらいたい」と呆れるしかなかった。

市議会では7月7日の6月定例会最終日に向けた4日の議会運営委員会で、田久保市長に対する辞職勧告決議案について議事日程に追加することが全会一致で決定。 決議案では田久保市長について「無責任かつ卑劣な人物が市長であり続けることを市議会としては到底容認できるものではない」と非難した上で、6月25日の本会議での質問戦について「ゆっくりとした口調で答弁を行うことで、質問時間を浪費しているようにも捉えられるなど、議員の質問権を侵害する行為が目立ったにとどまらず、答弁内容においても質問趣旨をはぐらかし、誤解を招く答弁、答弁拒否を繰り返すなど、議会に対する態度は誠実さを欠くといった程度では済まず、卑劣ですらある」と指摘している。 あわせて4日の議会運営委員会では田久保市長の学歴などについて調べる百条委員会の設置に関する議案の採決も7日に行うことが決まり、いずれも可決する見通しだ。 さらに早ければ7日に市民が公職選挙法違反の疑いで田久保市長を刑事告発する方針を固めたこともわかっている。 田久保市長は3日、自身の進退について報道陣から質問されると「伊東市はこれから忙しい夏を迎える中、すぐに辞めることは市政に一層の混乱をもたらすので、とにかくいまは一生懸命1票投じてくれた方の期待に応え、しっかり日々の業務をこなして、今年の夏をきちんと乗り切りたい」と答えたが、すでに伊東市政は大混乱の真っ只中にある。 (テレビ静岡)  

テレビ静岡

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