中国、雇用下支えへ支援策 米との貿易摩擦長期化で対応

中国は9日、雇用安定に向け、社会保険補助の拡大や若年失業者への支援、特別融資を柱とする新たな支援策を発表した。写真は4月、上海の陸家嘴の地下鉄駅で撮影(2025年 ロイター/Go Nakamura)

[北京 9日 ロイター] - 中国は9日、雇用安定に向け、社会保険補助の拡大や若年失業者への支援、特別融資を柱とする新たな支援策を発表した。米国との貿易摩擦が長期化する中、足元の中国企業向けの調査では、内外の需要が低調なことから賃金や雇用を削減する動きが強まっているもようだ。

中国国務院(内閣に相当)は「地方政府と関係部署は雇用安定に責任を負い、政策の実施状況を把握し、新たな措置を迅速に導入しなければならない」とした。雇用状況の変化に応じ、政策を段階的に展開するとしている。

国務院の通知によると、一部地域の地方政府が失業保険の還付率を、中小企業に対しては最大90%とし、従来の60%から拡充。大企業では最大50%とし、30%から引き上げる。経営難の企業では、失業などの保険料納付の申請を延期できるようにする。

16─24歳の失業者を雇用して保険料を負担する企業は、1人当たり最大1500元(209ドル)の補助金が支給される。地方政府に対しては、若年失業者と出稼ぎ労働者が職業訓練校に入学できるよう、年齢制限を緩和し職業教育を受けやすくすることも求めた。

中国国家統計局が6月に発表したデータによると、16─24歳の失業率は5月に11カ月ぶりの水準まで改善したものの、14.9%と依然高い。25─29歳の失業率は7.0%に前月からわずかに改善した。

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