20代前半でFIREを達成した、Web3起業家・udon氏は「人生の不確実性」を楽しむ。その"遊び"から生まれた5つの独自哲学とは?(BUSINESS INSIDER JAPAN)

まだ20代前半のudon氏は、中学生の頃に買い始めたビットコインのおかげで、経済的自由を獲得している。その道のりは、従来のFIRE達成者が語る「節約と投資の積み重ね」とは、全くかけ離れたものだった。まさに「人生の不確実性を楽しむ」、そんなudon氏の哲学は変化の激しい時代を軽やかに生き抜くヒントになるだろう。 中学生の時、本屋の電子工作コーナーで偶然手に取った『ヤバイお金 ビットコインから始まる真のIT革命』という1冊の本。そこから始まった暗号資産との関わりが、20代前半にしてほぼ働かない生活を実現させた。 【全画像をみる】20代前半でFIREを達成した、Web3起業家・udon氏は「人生の不確実性」を楽しむ。その"遊び"から生まれた5つの独自哲学とは? X(旧Twitter)で「@udon_crypto」として知られ、シンガポールと東京で2つのWeb3企業を共同創業したudon氏は、自身の資産形成について「宝くじが当たった人と変わらない」と率直に語る。お小遣いやお年玉で買い始めたビットコインが、いつの間にか「10年は働かなくても生きていける」規模の資産になっていた。 高校在学中にブロックチェーンインフラ企業を共同創業。そして大学1年でWeb3コンサルティング会社を共に立ち上げ、現在は東南アジアを拠点に技術戦略のアドバイザーとして活動する同氏。その道のりは従来のFIRE達成者が語る「節約と投資の積み重ね」とは全く異なるものだった。 カードゲームのレアカードが値上がりするように、純粋な好奇心で集めた暗号資産が資産となった──同氏の言葉は、計画的な資産形成とは対極にある、新しい富の築き方を示唆している。 udon氏への独占インタビューをもとに、偶然と好奇心が導いた独自の哲学を5つに分けて紹介する。 udon[Web3起業家] 2015年からのクリプトプレイヤー。クリプト関連企業を2019年創業に携わり、売却。現在も複数のクリプト関連企業でアドバイザー・リサーチャーとして活動。

2014年頃、中学生だったudon氏が暗号資産と出会ったのは、まさに業界の黎明期だった。当時はビットコインの法的位置づけも曖昧で、個人間売買がヤフオクで行われ、取引所も本人確認なしで利用できる時代。世界最大級の取引所マウントゴックスが破綻(顧客の約75万ビットコインと現金約28億円が消失)した直後で、ビットコイン価格は14万円から2~3万円まで暴落していた。 電子工作が好きで、Raspberry Piで何か作ろうと本屋を物色していた時、偶然出会ったのはビットコインについて書かれた『ヤバイお金 ビットコインから始まる真のIT革命』という本だった。 「投資として考えてなかったからこそ、買えたんだと思う」と、同氏は振り返る。お小遣いやお年玉の半分程度、数万円を使って購入したビットコインで、同氏がまず試したのは「ウォレット間での送金」や「謎のECサイトでのグッズ購入」だった。 「カードゲームを買うのと同じ感覚でした。新しいカードパックを買って、実際に遊んでみたいという気持ち。ビットコインのグッズをビットコインで買って、実際に届いた時は『クレジットカード番号も入力せずに買い物できた』と純粋に楽しかった」 その後もイーサリアム、XRP、NEM、モナコインと、新しい暗号資産が登場するたびに「新しいおもちゃ」として購入。2016年のThe DAO事件(分散型自律組織The DAOがハッキングされ、約360万イーサリアムが不正に引き出された事件)では、実際に参加して損失も経験したが、それも「ゲームの一環」だった。 同氏は現在も、高級テレビを購入する際に「5年後の下取り価格など考えない」のと同じように、暗号資産も「好きで買っているからわざわざ売ることを考えない」という。トレーディングカードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」の最高額カード「ブラックロータス」(希少性から数百万円で取引される伝説的カード)を集める感覚で保有し続けた結果が、現在の資産につながった。 「ブラックロータスを家に飾ったり、カードゲームで使ったりするために買ったのであって、値上がりしたからといって他に強烈に欲しいものもないのに売るものじゃない。暗号資産も同じです」──投資の常識とは真逆のこの姿勢が、結果的に最も大きなリターンを生んだ。

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