無断駐車とみられるクルマへの 「対抗措置」がSNSで話題に! ブロックして出せないようにするのってOK? それともNG?
無断駐車とみられるクルマへの 「対抗措置」がSNSで話題に! ブロックして出せないようにするのってOK? それともNG?
SNS上において、無断駐車とみられるクルマの両サイドに他のクルマをギリギリまで近づけて駐車し、出庫できないようにしている画像が投稿され、大きな話題となりました。無断駐車に対して、このような対応をとることに問題はないのでしょうか。
無断駐車に対してレッカー移動、タイヤロックなどの行為はNG!
2025年10月22日、とあるアパートの駐車場において、無断駐車が疑われるクルマの両サイドに別のクルマが非常に密接して駐車され、出庫できないような措置をとられている画像がX(旧Twitter)に投稿されました。
これは同じアパートに入居している投稿者が発見して撮影したもので、「近くで祭り?やってて家の敷地内に勝手に停めよる車おったけどバチバチにブロックされててウケた どうなるのか観察します」という文章とともに投稿されました。
このポストは10月24日時点で8000万件以上表示、14万いいねが付くなど、大きな話題を呼んでいます。
画像を見ると、真ん中のクルマと両サイドのクルマとの間隔はわずか10cm程度しかなく、クルマに乗り込むことができない措置がとられていました。また、両サイドのクルマが真ん中のクルマ側に向けてハンドルを切っており、真ん中のクルマは出庫するのがかなり厳しい状況となっていました。
この一連の投稿に関しては「両サイド運転うますぎる。こわくてこんなに寄せられないや」「車に乗ることもできないし、万が一乗れたとしてもタイヤでブロックされてて完全に詰んでて笑う。それにしてもこんなスレッスレに停められるのもすごい」など、両サイドのクルマの駐車技術に驚きの声が寄せられました。
また「ブロックされて当然」「無断駐車にはこれくらいやっていいと思う」など、クルマを出庫できなくすることに対して賛同の声が上がる一方で、「無断駐車は困るけど、過剰な対応は逆に問題を複雑にしそう」といった懸念の声も上がっています。
実はその後、真ん中のクルマの所有者が事前にアパートの大家の親族に駐車することを連絡、大家もそれを了承していたことが判明し、結果として無断駐車ではなかったことが明らかになっています。
今回は無断駐車ではなかったものの、自分の駐車枠に別のクルマが無断駐車されていて、対応に困ったという経験をしたことのある人は少なくないでしょう。では仮に無断駐車をされた場合、クルマを物理的に出庫できなくするといった措置をとっても良いのでしょうか。
結論から言うと、無断駐車車両を勝手にレッカー移動する、タイヤロックを取り付ける、物理的に動かせないようにするといった措置をとることは原則として禁止されており、このような対応をとるべきではないといえるでしょう。
上記のような措置は、裁判所などの法的な手続きを通さず、実力行使で自分の権利を回復しようとする「自力救済」という行為に当たります。これをOKにしてしまうと、武力などで実力行使できる方が有利となり社会秩序が維持できないという理由から、日本では基本的に自力救済が認められていません。
さらに、勝手にレッカー移動やタイヤロックなどをして無断駐車の車両に傷が付いた場合には、逆に損害賠償請求をされるおそれもあります。
無断駐車された側にとっては、とうてい納得できるものではありませんが、一旦冷静になって別の対応策を考えるべきといえます。具体的には警察に通報することや、無断駐車の警告文を貼り付けることなどが挙げられます。
駐車場は道路ではないため警察が駐車違反で取り締まることはできませんが、盗難車両でないかの確認や、所有者を照会して本人に連絡してもらえる可能性があります。
また張り紙をする際は、ワイパーに紙を挟んでおくなど、車両に傷が付かないような方法をとることが大切です。
そして自力救済が禁止されている以上、事前に無断駐車をされないような対策をしておくことも重要です。個人でできる対策は多くありませんが、自分の駐車スペースに「無断駐車禁止」などと表記されたカラーコーンやチェーンを設置するといった措置は有効といえるでしょう。
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現在の法令では基本的に自力救済が認められておらず、無断駐車された側が大きな不利益を被っています。
この問題に対しては、無断駐車に対して少しでも有効な措置がとれるよう法制度の改正を求める声も多く上がっています。