ライカスマホの頂上決戦、「Xiaomi 15 Ultra」と「Xiaomi 14 Ultra」を徹底比較 あえて14 Ultraを選ぶのもアリ?

 撮影モードの多さはXiaomi 15 Ultraに軍配が上がる。Leica VibrantとLeica Authenticの2つのモードに加え、多種多様なフィルターを利用できる。スナップショット重視のファストショットモードも進化しており、より素早く起動し、ブレを抑えて撮影できるようになった。  撮影体験でもXiaomi 15 Ultraは進化した。Photography Kitは「Legend Edition」にアップグレードされた。具体的には、シャッターボタンの変更、バッテリー容量の増加、カスタマイズ性の向上が含まれる。  シャッターボタンはボタンの押した感覚がカメラに近づき、従来よりも深いストロークでしっかり押せるようになった。ボタンデザインのカスタマイズもでき、市販品も利用できる。  グリップのバッテリーは2000mAhへ増加し、接続したままのバッテリー消費も抑えられている。カスタマイズ要素としては親指のグリップ、ストラップホールが追加されて2点留めができるようになったことが大きい。

 新旧の「ライカを冠したフラグシップスマホ」として評価すると、後発なだけあってトータルの完成度の高さはXiaomi 15 Ultraに軍配が上がると感じた。一方で、より広い画角の超広角カメラや、メインカメラの可変絞りといったXiaomi 14 Ultraにしかない要素もある。  それらを加味しても、筆者はXiaomi 15 Ultraを勧めたい。もちろん、新しい機種だからということもあるが、従来の課題だった発熱問題やバッテリー持ちが改善されていること。大容量の1TBモデルを選択できる点が大きい。  Xiaomi 15 Ultraは新型の冷却機構を採用したことで冷却性能が向上し、より安定したパフォーマンスで動画撮影やゲームなど楽しめるようになった。バッテリー容量がXiaomi 14 Ultraの5000mAhから5450mAhへ増加していることも選択する理由になる。また、Xiaomi 15 UltraはeSIMにも対応している。  地味ながら、指紋センサーが超音波式となったことで認証精度が向上しており、指紋認証時のストレスが少ない点もありがたい。執筆時点でワイヤレスイヤフォン「Xiaomi Buds 5 Pro Wi-F」の最高音質モード”Qualcomm XPAN Audio”にも対応する唯一の存在であることも、選ぶ上では大きな要素だ。  Xiaomi 14 Ultraは1年落ちにはなるものの、可変絞りをはじめとした独自要素に加えて、中古市場では12から13万円前後で購入できる点が魅力に映る。プロセッサもSnapdragon 8 Gen 3を採用しており、多くの場面で性能不足はほとんど感じない。  カメラグリップも機能的な差はあまりないため、高い望遠性能が不要、可変絞りを用いた表現の写真が撮りたいのなら、Xiaomi 14 Ultraを「あえて選ぶ」という選択もアリだと思う。  もっとも「Xiaomi 15 Ultraがおサイフケータイに非対応なのが惜しい」と感じた方には、ライカ監修で近い設計思想のカメラを持つAQUOS R9 proという選択肢、Xiaomiにもライカ共同開発カメラを備えるXiaomi 14Tシリーズがある。ライカスマホも多くの機種を選べる点が日本市場の特徴だ。  ここで価格を見ていこう。Xiaomi 15 Ultraはストレージ512GBの仕様で17万9800円から。Xiaomi 14 Ultraはストレージ512GBでかつ、Photography Kit付属で19万9900円。Xiaomi 15 Ultraは為替面で2024年よりも不利な中、かなり攻めた価格に設定されている。  また、Xiaomi 14 Ultraで指摘された「Photography Kitは不要なので安くしてほしい」という声にも応えた。実機がないという声に対しては、大型の家電量販店に加えて、直販店舗のXiaomi Storeでも体験できるようにするなど、以前よりも手に取れる店舗数を増やすことで改善している。  Xiaomi 15 Ultraでは発売から1カ月の間に購入した方を対象にPhotography Kitを無料提供したため、早期購入はお得感が大きかった。以降の購入では特定のキャンペーンを除き、別途1万9980円が必要となるものの、セットで購入しても依然として20万円を切る設定だ。  機能面を考えると悩ましい2機種だが、基本性能やカメラ性能を加味するとXiaomi 15 Ultraに軍配が上がる。最新スペックと妥協のないカメラ性能を求めるのであればXiaomi 15 Ultraを、可変絞りなどの「唯一無二の要素」を求めるのであれば、Xiaomi 14 Ultraを選択するといい。できれば、両機種とも実際に手に取ってから選択してほしい。

佐藤颯  生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。  スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。 ・X:https://twitter.com/Hayaponlog ・Webサイト:https://www.hayaponlog.site/

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 ここからはXiaomi 15 UltraとXiaomi 14 Ultraで撮影した写真を見比べていこう。両者ともオートかつ「Leica Vibrant」の設定で撮影している。  同じライカを冠する機種ではあるが、Xiaomi 15 Ultraは明暗と色をはっきり出すダイナミックな描写に対し、Xiaomi 14 Ultraもかなり健闘する。撮影した際の雰囲気は両者近いもので、ライカの名を感じさせられる。  メインカメラは両者共に1型センサーを採用する。「自然なボケ感」は甲乙付けがたいが、可変絞りといったメインカメラでできる表現はXiaomi 14 Ultraの方が優れている。Xiaomi 15 Ultraではこの可変絞りが廃止されたことが惜しい。例えば、料理の写真を撮る場面、夜景や点光源のある場面では可変絞りがあった方が表現の幅が広がる。  超広角カメラはどちらも5000万画素だが、Xiaomi 15 Ultraが換算14mmに対してXiaomiの方が換算12mmとより広角に撮れる。基本性能の差もあるため、より広くきれいに収めたい場合はXiaomiの方が優れている。  望遠やテレマクロといったシチュエーションでは、強化された望遠カメラを備えるXiaomi 15 Ultraが強い。特に本機種の3倍望遠カメラは、メインカメラから4.3倍望遠カメラまでの中間望遠として画質維持に加え、自然な円形ボケを演出できる。最短10センチまで被写体に寄れるのも魅力だ。  Xiaomi 15 Ultraで注目の4.3倍望遠カメラは2億画素。2つの望遠カメラで標準域から20倍クラスの望遠域までしっかりカバーできる。ハードウェア的には2024年、望遠性能の高さに驚かされたvivo X100 Ultraに近い仕様なだけあって、飛躍的な進化を遂げたと評価したい。  とはいいつつも、Xiaomi 14 Ultraの望遠性能も日本向けに販売されているスマートフォンの中では高い。昼間ならそこまで差を感じない場面も少なくなかったので、10倍以上の望遠シーンを撮影するか否かで選んでもよさそうだ。

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