どうしてこうなった? Google Homeシステムの劣化が止まらない

Image: Andrew Liszewski / Gizmodo US

約6年前、Google(グーグル)のスマートスピーカーを使い始めたときはすごくよかったんです。

音声アシスタントというものは、一生完璧にはならないし、たまにクソみたいなこともありましたが、AlexaやSiriと比べると、Googleアシスタントはマシでした。そして、Google検索と連携して実際にWeb検索ができる点は優秀でした。ところが今となっては、これらがすべて逆転してしまったのです。

Google Homeの劣化が止まらない

Googleアシスタントと、全体のGoogleのスマートホームにおけるエコシステムは、どんどんひどくなっていて、その転落(あえて厳しく言うと完全に劣化)は想像以上に早かったように思いますね。その機能不全の結果、ここ1ヶ月で、照明・カメラ・スピーカーなど、Google Homeプラットフォームを利用している人々の不満がReddit等のプラットフォームで爆発しちゃってます。

たとえば、一部の人は照明のオンオフすらできない状態で、マジで「壊れている」のです。

あまりに問題が深刻なので、Google HomeのCPOのアニッシュ・カットゥカラン氏は、SNS上で公式に不具合を認め「改善する」と述べました。しかしながら状況はあまり改善せず、不具合が続くのため、先日集団訴訟の可能性すら出てきました。

Hey everyone, I want to acknowledge the recent feedback about Google Assistant reliability on our home devices. I sincerely apologize for what you're experiencing and feeling!

— Anish Kattukaran (@AnishKattukaran) July 23, 2025

どうしてこうなった?

Google Homeを使っていない人にとっては、Googleのハードウェア、ソフトウェアのエコシステムが、まさかこんなに急に劣化しているなんて信じがたいかもしれません。しかし、ずっとこのGoogleのエコシステムにどっぷり使っていた身からすると、これは何らのバグとか一過性のアクシデントではなく、長年に渡る劣化と放置の積み重ねの結果だと思っています。

Google HomeやGoogleアシスタントへの不満は、今も昔も存在しているため、当初フォーラムで出始めていた不満の声はあまり気にかけていませんでした。たとえば以下の投稿は、よくある不満の一例です。

昔は素晴らしかったのに、その後反応はどんどん不安定になっていった。営業時間を調べるのにも役立たずで、少しでも考えることが必要な質問にはほとんど答えられなくなった。今では鳴っているタイマーすら止めることもできなくて、なぜなら何も再生されていないと認識しているから。もううんざりしている。

いつからこの「ゴミ化」が始まったのかはわかりません。

もしかしたら数年前にGoogleが人々の音声コマンドの収集やフィードバックをやめたときかもしれないし、または、Googleがチャットボットや生成AIに方向転換して、他のプラットフォームを放置し始めたときかもしれません。とにかく理由はよくわかりませんが、よりによって今このタイミングでこうなってしまったことがなんとも皮肉です。

Image: Andrew Liszewski / Gizmodo US

本来なら今は音声アシスタントの黄金期であるはずなのに

大規模言語モデルのおかげで音声アシスタントは大きく進化して、自然に言葉を理解し、複数ステップの命令よりも的確に理解できるようになるはずでした。今後そうなっていくのかもしれませんが、今のところはSiriも遅れ、AmazonのAlexa+(アレクサ・プラス)は早期アクセス段階で足踏みしています。

今後の改善のためには、一旦どん底まで落ちるとよいのかもしれませんが、この状況では残されているのは「ぶっ壊れた家」だけ。外野から見てると、Googleのスマートホーム帝国は崩壊しつつあるように見えるし、とりあえず使えなくなったスマート照明だけでも直してほしいところです。

関連記事: