中国企業への豪港湾99年リース、止めることが可能だった-元豪首相
Ben Westcott、Haslinda Amin
- ターンブル元豪首相がブルームバーグテレビジョンに語った
- 豪州の安全保障機関、リース契約に懸念はないと説明していた
オーストラリアのターンブル元首相は5日、中国企業が管理しているダーウィン港について、10年前の首相就任直後に長期リース契約の締結を止めることが可能だったとの認識を示した。米国がこの契約を「決して好まなかった」ことも明らかにした。
ターンブル氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、豪州の安全保障機関からはこの契約に懸念はないとの説明を受けていたと語った。
同氏が2015年9月に首相に就任した後、北部特別地域(準州)の政府はダーウィン港を中国のランドブリッジ・グループ(嵐橋集団)に99年間の契約でリースすることを決めた。
ターンブル氏は「ASIO(オーストラリア保安情報局)や国防省から受けたアドバイスでは、安全保障上の問題には対処済みで、過度に懸念すべき事案ではないということだった」と述べた。
その上で、「時代は変わった」と指摘。今ではダーウィンの港湾施設を豪州の監督下に戻すべき正当な理由があると主張し、「率直に言って、豪州の企業が中国の港湾施設の一部を買い取ることなどできないだろう」と語った。
豪北部のダーウィン港はインドネシアや東南アジアのすぐ南に位置する。同港の近くには米海兵隊が交替で駐留する軍事施設があり、このリース契約には当時のオバマ米大統領ら複数の関係者が懸念を示していた。
現職のアルバニージー豪首相は勝利を収めた5月上旬の総選挙を前に、ダーウィン港を豪州の管理下に戻すと公約していた。民間の買い手が見つからなければ、政権として港を国有化する可能性もあるとの考えも示していた。
関連記事 米サーベラス、中国企業が持つ豪ダーウィン港リース権の買収計画 中国大使が豪政府に慎重な対応要請、ダーウィン港リース契約巡り原題:Australia Ex-PM Says He Could Have Halted Port Lease to China (抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE