OpenAIのアルトマンCEOはイーロン・マスクを軽蔑し、その事業を狙い撃ちしている(Forbes JAPAN)

シリコンバレーの大物であるサム・アルトマン(40)とイーロン・マスク(54)の確執は、ここ1年で個人攻撃、SNS上での挑発、そして訴訟へと発展した。マスクはアルトマンを「詐欺師アルトマン」「いかさまサム」と呼び、アルトマンもマスクについて「幸せな人間であるはずがない」「人生のすべてが不安から生まれている」と批判した。 つい先週ももマスクは、アップルがアルトマン率いるOpenAIをApp Storeで自身が経営する人工知能(AI)企業xAI(エックスエーアイ)よりも優遇していると主張して、「アップルを明白な反トラスト法(独占禁止法)違反で訴える」と脅した。これに対しアルトマンは、マスクがX(旧ツイッター)を「自分と自分の会社の利益のために操作している」と非難。マスクは、これに対しアルトマンが嘘つき呼ばわりし応酬した。 2人は、2015年に非営利団体としてOpenAIを共同設立したが、2018年、マスクは組織の主導権争いに敗れて取締役会を去った。2022年後半にOpenAIがChatGPTを公開して大きな注目を集めると、マスクは2023年3月にxAIを立ち上げて、「反ウォーク(反ポリコレ)のAI」として売り込んだ。そして2024年、マスクはOpenAIが営利企業に転換するのを阻止するためにアルトマンを提訴した。アルトマンは反訴し、マスクがOpenAIを目の敵にしていると主張した。 ■アルトマンとOpenAIが、マスクの複数事業を狙い撃ち このOpenAIとxAIの対立は、アルトマンとマスクの間で繰り広げられるより大きな闘いの一部にすぎない。アルトマンは、OpenAIを通じて、また自身の幅広い投資ポートフォリオを用いて、マスクの複数事業を狙い撃ちする製品や技術を開発する動きを見せている。 ■脳コンピューター・インターフェース「Merge Labs」を支援(アルトマン) 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は2025年8月12日、アルトマンが、脳コンピューター・インターフェースのスタートアップ「Merge Labs(マージ・ラボ)」を支援していると報じた。これは、マスクのNeuralink(ニューラリンク)と直接競合する。 アルトマンが共同創業者に名を連ねる同社は、8億5000万ドル(約1250億円。1ドル=147円換算)の評価額で資金調達を目指している(奇妙なことに、アルトマンはNeuralinkの小口投資家でもある)。 マスクが2016年に共同創業し、最大の個人株主となっているNeuralinkの評価額は90億ドル(約1.3兆円)に達している。 ■Xに類似したSNSを計画(OpenAI) アルトマンは、OpenAIをマスクのXと直接競合させようとしている。 ニュースサイトThe Vergeは4月に、OpenAIが「Xに類似したソーシャルネットワーク」を構築する計画を進めていると報じており、実現すればXにとって大きな脅威となる可能性がある。統計サイトStatistaのデータを確認すると、Xの直近の月間利用者数は約6億人だ。OpenAIは8月7日のGPT‑5⁠発表時、ChatGPTについて週あたり7億人が利用中と公表しており、Xよりも人気がある。 ■自動運転ソフト開発企業と提携(OpenAI) アルトマンは、テスラにも狙いを定めている。 2025年第2四半期において、テスラ車の販売台数は前年同期比で13.5%減となった。マスクはこれを受け、テスラの将来の成長をロボタクシー(自動運転タクシー)分野に賭ける方針へと舵を切っている。マスクは5月のCNBCの取材に「2026年末までに米国内で数十万台、あるいは100万台を超えるテスラが自動運転で走ることになる」と語っていた。しかし、現時点で完全自動運転の認可を受けたテスラ車は1台も存在しておらず、マスクの主張を裏付ける証拠は乏しい。 OpenAIは6月17日、直近の評価額が150億ドル(約2.2兆円)の自動運転ソフト開発のApplied Intuition(アプライド・インテュイション)と提携し、「世界中の自動車において、次世代のAI搭載体験を推進していく」と発表した。アルトマンはその後、弟のジャック・アルトマンのポッドキャスト「Uncapped」に出演した際に、OpenAIの自動運転テクノロジーの進展を誇示しつつ、テスラを遠回しに批判した。「私たちの会社は、標準的な車にも適用可能な、従来のどのアプローチよりもはるかに優れた自動運転のための新しい技術を持っている」と彼は述べていた。 ■宇宙関連、自動運転関連のスタートアップに出資(アルトマン) アルトマンは、マスクのスペースX、テスラのロボタクシーにも対抗しようとしている。 アルトマンは、巨体な大砲で人工衛星を軌道に撃ち込むことを目指すスタートアップLongshot Space(ロングショット・スペース)を支援。将来的にテスラのロボタクシーと競合する可能性がある自動運転のスタートアップGlydways(グライドウェイズ)にも投資している。 フォーブスは、マスクとアルトマンの双方にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

Forbes JAPAN
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