トランプ氏、プーチン氏との「無駄な会談」望まず-停戦期待薄まる

トランプ米大統領は21日、ロシアのプーチン大統領との「無駄な会談」はしたくないと述べた。2回目の米ロ首脳会談の開催が危ぶまれる状況となっている。

  トランプ氏は会談の中止を決定したわけではないとしつつも、停戦合意の一環として現行の戦線を凍結すべきだという自身の提案を改めて主張。ロシア側はこれを拒否している。

  トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、「無駄な会談はしたくない。時間を無駄にしたくないので、どうなるか見守るつもりだ」と述べた。自身の計画については「今後2日以内に」明らかにするとも語った。

  トランプ氏は依然として停戦への期待を残しているとしながらも、紛争に関しては悲観的な見通しを示し、紛争の早期解決への期待が薄れつつあることを示唆した。数時間前には、両首脳が当面会談する予定はないとホワイトハウス高官が明らかにしていた。

  非公開の協議だとして匿名を条件に語った高官によると、ルビオ米国務長官とロシアのラブロフ外相が20日に行った電話協議は生産的だったが、米ロ外相会談は必要ないとしている。

  トランプ氏は先週、ウクライナ停戦を目指し、プーチン氏とハンガリーの首都ブダペストで会談すると表明。時期については「向こう約2週間以内」との見通しを示していた。同時に首脳会談に先立ち高官協議を行う予定で、米国の代表団はルビオ氏が率いるとしていた。  

ホワイトハウスで会談するトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領(10月17日)

  ロシア側も同様に、首脳会談の早期開催への期待を抑える発言をしている。インタファクス通信によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は21日、「今後の作業は非常に困難になるだろう」と述べたうえで、「トランプ大統領もプーチン大統領も正確な日程を示しておらず、準備には入念な努力が必要だ」と語った

  ウクライナのゼレンスキー大統領は先週17日、長距離巡航ミサイル「トマホーク」供与などの支援を求めるためにワシントンを訪問。しかし、その前日にプーチン氏がトランプ氏と電話会談し、両首脳はブダペストで会うことで合意した。

  トランプ氏は当時、ブダペストで首脳会談を開催するという計画はプーチン氏による時間稼ぎの可能性もあると認めていた。8月の両首脳会談では紛争解決に進展がなかったためだが、それでもトランプ氏は、プーチン氏に操られているとの懸念を退け、ロシア側は紛争終結を望んでいると主張していた。

原題:Trump Says Doesn’t Want ‘Wasted’ Ukraine Meeting With Putin (1)(抜粋)

— 取材協力 Romy Varghese

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