「殺された…」自動運転モードで着替えか 正面衝突で1歳児死亡 運転手「記憶ない」
小さな命を奪った事故は、なぜ起きてしまったのでしょうか。 事故は緩やかなカーブで起きました。警察によりますと、ここ数年大きな事故は起きていなかったということです。 対向車を運転していた60歳の男は、過失運転致死傷の疑いで逮捕されました。 対向車を運転していた男 「事故のことは記憶にありません。事故直前にトンネルを抜けるあたりから、事故を起こして留置場にいるところまで覚えていない。事故を起こしたことは本当に申し訳ないと思っている」 諭哉さんは繰り返しドライブレコーダーの映像を見るなかで、ある疑問が浮かんできたといいます。 諭哉さん 「さすがに顔は見えると思うんですよ。普通に運転をしていれば、ハンドルを持っていたら、当たると思ったら、顔は多分見えると思うんですね。でも、それすら何も見えなかったんです」 「顔が見えなかった」というのは、どういうことなのでしょうか。交通事故鑑定人・中島博史さんにドライブレコーダーの映像を分析してもらうと、衝突の直前には…。 中島さん 「このあたりがダッシュボードと考えると、ここに写っているのは人物の顔ではないかと、明るさからすると考えられます」 白く浮かび上がった顔のようなもの。しかし、対向車がセンターラインを越えた直後の画像では、顔のようなものが一部しか見えません。 中島さん 「何らかの状態で例えば腕を上げていたとか、あるいは着替えをしていたというような可能性があって」 運転中に着替えか。この可能性を裏付けるような供述がありました。運転をしていた男は、捜査のなかで「日常的に自動運転モードにして着替えをしていたと」という趣旨の供述をしているということです。
国土交通省によると、自動運転は大きく5段階に分けられ、機能が搭載されている自家用車のほとんどは「レベル2」まで。「レベル2」まではドライバーが常に走行を監視しなければならず、事故を起こした場合、責任はドライバーが負わなければなりません。 事故を起こした車はレベル2に相当する機能を搭載していましたが、取り扱い説明書では、あくまでも運転支援システムなのでハンドルから手を離さないよう注意を呼び掛けています。 中島さん 「(男の車が)進入してきた時の角度から推定すると、右に(ハンドルを)90度くらい切っているはずです。何らかの人為的な操作が入らないと、運転支援機能側が勝手にこんな判断をすることはあり得ません」 中島さんによると、もし車内で着替えをしていたのであれば「ひじなどがぶつかってハンドルが急激に切られた可能性もある」と指摘します。過失運転致死傷の疑いで逮捕された男は、現在は釈放され、在宅で捜査が進められています。 諭哉さん 「僕たちは当たり前の日常を奪われてしまった」 彩乃さん 「誰かとすれ違うと息子はすぐ手を上げてたりとかして、すれ違う人みんな足を止めてかわいいねって声をかけてもらう。それでニコニコするっていうのが日常でした」 諭哉さん 「人を一人、僕たちからしたら殺された。許してはならないと思います」 (「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年4月25日放送分より)
テレビ朝日