日経平均は反発、対日関税巡り最悪シナリオ回避で安心感

 7月8日、 東京株式市場で日経平均は、前営業日比101円13銭高の3万9688円81銭と反発して取引を終えた。都内の株価ボード前で同日撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

[東京 8日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比101円13銭高の3万9688円81銭と反発して取引を終えた。米政府の対日関税を巡り、最悪シナリオは回避できたとの見方から景気敏感株中心に買いが広がった。為替相場でドル高/円安が進行したことも支援材料となった。買い一巡後はETF(上場投資信託)による分配金捻出のための売りが意識され、上げ幅を縮小する展開となった。

日経平均は小幅続落で寄り付いが、間もなくプラス圏に転換し、228円59銭高の3万9816円27銭まで上昇した。トランプ米大統領は7日、日本と韓国からの輸入品に対し、8月1日から25%の関税を課すと表明した もっと見る が、4月に公表された税率24%とほぼ変わらなかったことや、交渉期限が実質延期されたことで安心感が広がった。買い一巡後はETF捻出売りなどの需給を巡る思惑が重しとなり、上げ幅を縮小した。

りそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは「いったん不確実性が晴れたという意味でリスクオンムードに傾いた」と分析する。ただ、8月1日までは国内で参議院選挙、日米の企業決算など重要イベントを控えているため、指数は横ばい圏、物色は個別株中心の相場になりやすいとみている。

TOPIXも反発し、0.17%高の2816.54ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.17%高の1449.51ポイント。プライム市場の売買代金は4兆5433億4900万円だった。東証33業種では、非鉄金属、精密機器、ガラス・土石製品、鉱業など20業種が値上がり。医薬品、食料品など13業種は値下がりした。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.98%高の732.29ポイントと、3日続伸した。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1083銘柄(66%)、値下がりは484銘柄(29%)、変わらずは60銘柄(3%)だった。

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