「2026年に取りたいIT資格」上位をベンダー資格が席巻 読者調査で読み解くトレンド
総務省統計局の「労働力調査」によると、 情報通信業における2024年の就業者数は292万人となり、同年に最も就業者数が増加した産業となった。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験の2024年度の応募者数は現行制度で初めて70万人を突破し、IT産業の発達とともに、IT資格の取得に挑戦する人が増えていることが分かる。 【画像】2026年に取得したいIT資格ランキング 先述の情報処理技術者試験をはじめとして、IT業界ではさまざまな資格試験が実施されている。どれが人気で“役に立つ”資格なのか。『ITmedia エンタープライズ』読者に対して実施したアンケート調査(回答期間:2025年11月17日~12月12日、回答数:289件)の結果を基に解説する。
2025年も年の瀬ということで、まずは「2026年に取得したいIT資格」について聞いた結果を見ていこう。 1位は「Amazon Web Services」(AWS)の認定資格各種(18.0%)、2位は「G検定」、3位は「情報処理安全確保支援士」、4位は「Google Cloud」の認定資格各種、5位は「Microsoft Azure」の認定資格各種だった。 定番のIT資格である「ITパスポート」や「基本情報技術者」「応用情報技術者」などを抑えて、クラウドベンダーの各種認定資格が上位に名を連ねた。また、昨今のAIブームの影響かG検定の取得を目指す人が多いようだ。 業種別に見ると、IT製品関連業で働く人々はITパスポートや基本情報技術者などの初級者向けの資格よりも、クラウドベンダーの資格や情報処理技術者試験の上位資格を選ぶ人が多い。教育、医療、官公庁などを含む「その他業種」では情報処理安全確保支援士を選ぶ人が多く、公共機関におけるセキュリティ人材の需要増加が垣間見える。一方で、IT製品関連業以外の業種では「あてはまるものはない」(つまり、2026年に取得したいIT資格がない)人が多く(30%以上)、資格取得支援制度など、ユーザー企業側でも学習意欲を高める仕組みを生かせるかどうかが課題になりそうだ。 従業員規模別に見ると、従業員数100人以下の企業は「あてはまるものはない」を選ぶ人が多く、中小企業のIT活用の未来に懸念が残る。その中でも「情報セキュリティマネジメント」や情報処理安全確保支援士を選ぶ人は比較的多い。昨今のサイバー攻撃の被害事例によって、危機感が共有されている可能性が高い。