事実の焦点:寒波が全米各地を襲う中、トランプ大統領は問うー地球温暖化はどこへ行ったのか?(AP通信)

米国の大部分が、巨大な冬の嵐による厳しい寒さ、危険な氷、大雪に見舞われている中、トランプ大統領は、世界が温暖化していることに異議を唱えるためにソーシャルメディアを利用した。  大統領は23日、自身の Truth Social アカウントに 25 語の投稿を行い、これほど寒いのに地球温暖化が起こっているのか疑問を呈し、この気温はほぼ前例のないものだと述べた。また、地球温暖化の支持者や科学者たちを「環境反乱分子」と呼んだ。  12 人以上の科学者が AP 通信に対し23日、大統領の主張は間違っていると述べた。彼らは、地球が温暖化しても冬や寒さは発生し、そのことを否定したことは一度もないと指摘している。彼らは、米国東部で寒さが続く一方で、世界のより広い地域では平均より暖かい状態が続いていると指摘。また、日々の局地的な天気と、長期的な地球規模の気候変動の違いを強調した。  気象学者らはまた、過去数十年の地球温暖化が、今回の寒さを前例のない記録的なものに見せている可能性があると述べた。しかし政府の記録によれば、過去にはこれよりはるかに寒い時期があった。 「このSNS投稿は驚くほど扇動的な表現と事実誤認を短い文に詰め込んでいる」とカリフォルニア水資源研究所の気候科学者ダニエル・スウェイン氏は指摘する。「まず第一に、地球温暖化は継続中だ——実際、近年では加速している」 事実を詳しく見てみよう: ▽気候変動は依然として進行中 トランプ大統領:「地球温暖化はどうなったんだ???」 事実:「地球温暖化は消えていない。今ここにある」とプリンストン大学の気候科学者ガブリエル・ヴェッキ氏は述べた。  データによれば、過去3年間は観測史上最も温暖であり、その上昇率は従来より著しく加速している。  米国海洋大気庁の記録によれば、世界の冬季(12月~2月)気温は1995年以降0.72℃上昇し、過去2冬の気温は観測史上最高を記録した。米国は世界平均より温暖化速度が遅く、1995年以降0.28℃の上昇にとどまっている。先月は世界的に、また米国においても観測史上5番目に暖かい12月だった。 ▽局地的な寒さは長期的な地球温暖化とは異なる  科学者たちは温暖化に関しては「地球規模」で議論すると指摘する。米国の面積は地球全体のわずか2%に過ぎず、ロッキー山脈以西はこの時期としてはそれほど寒くない。地球の気温分布図を見ると、米国の3分の2は平年より数度低く、ロシアも同様だ。しかしオーストラリア、アフリカ、北極圏、南極、アジア、カナダ、欧州の大部分、さらにはグリーンランドまでもが平年より暖かい。  プリンストン大学の気候科学者マイケル・オッペンハイマー氏は言う。「地球が温暖化しても、寒い日や寒い冬が消えるわけではない。ただその頻度が減るだけだ」 「さらに、米国で数日間起きた現象は、米国全体や地球全体の長期的な変化を示すものではない」  多くの科学者の間では、気候変動の一環である北極の温暖化が、米国東部の冬の異常気象を増加させているという説もあるが、まだ意見の一致には至っていない。  「これは不確実性を伴う活発な研究分野だ」とノーザンイリノイ大学気象学教授ビクター・ジェンシーニ氏は言う。「一つの仮説は、北極の温暖化が極域と中緯度の温度差を縮小させ、ジェット気流を弱めたり歪めたりして、冷たい北極の空気が南下する余地を与えるというものだ。とはいえ、全ての寒波を気候変動のせいにできるわけでも、すべきでもない。気象には依然として大きな自然変動がある」 ▽過去にもより寒かった時期は存在する トランプ大統領:「記録的な寒波が40州を襲う見込み。これほどの寒さはかつて見たことがない」 事実:いや、ある。  米国立気象局の予報では、ミネアポリスは24日にマイナス24℃、25日にマイナス25℃となるが、これは1904年に同地で記録されたマイナス36℃とマイナス35℃には遠く及ばない。シカゴは24日にマイナス17℃、25日にマイナス13℃まで下がるとされているが、過去のこれらの日の最低記録は、1897年のマイナス26℃とマイナス29℃である。また、つい最近でも2019年1月30日にはシカゴでマイナス31℃を記録している。ノースダコタ州ファーゴとワシントンD.C.は、観測史上最低気温に12℃以上届かない見込みだ。  「1978~79年、1983~85年、あるいはそれ以前の数十年に起きたような真に歴史的な寒波は、広範囲でより低温かつ長期間に及ぶことが多かった」とジェンシーニ氏は述べた。「また、数十年前に比べて全体的に冬が温暖化したため、現代人は厳しい寒さに慣れていない」 ▽記録更新は限定的  気候情報機関クライメート・セントラルの科学担当副社長クリスティーナ・ダール氏によれば、50年以上の観測記録を持つ米気象観測所を調査した結果、今年1月に記録された最低気温の記録更新は45件にとどまる。一方、最高気温の記録更新は1092件に上る。  トランプ政権末期に米海洋大気庁(NOAA)の主任科学者を務めたライアン・マウエ氏は「平原部やテキサス、ルイジアナでは日別記録が更新される可能性はあるが、今回の寒波で長期(100年以上)の記録を破るのは非常に難しい」と指摘した。マウエ氏は、26日には米国本土 48 州の平均最低気温はマイナス 12 ℃となり、国土の 90% 以上が氷点下になると予測している。しかし、1985 年 1月、米国本土 48 州の平均最低気温はマイナス 15.5 ℃だったと、マウエ氏はツイートしている。  マウエ氏は、トランプ大統領が「差し迫った厳しい寒さについて適切に警鐘を鳴らした」ことを称賛した。遠回しな表現ではあったが、地球温暖化について煽っている一方で、そのことを気にかけているようだった。 (日本語翻訳・編集 アフロ)

AP通信
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