トランプ氏が損賠1.5兆円請求の名誉毀損訴訟、米連邦地裁が棄却 エプスティーン元被告に関するWSJ記事めぐり

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画像説明, 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの親会社ニューズ・コーポレーションの本社(米ニューヨーク)

トランプ氏は昨年7月、ウォール・ストリート・ジャーナル、同紙の親会社ダウ・ジョーンズ、ニューズ・コーポレーションと、同社を所有するルーパート・マードック氏、記者2人を相手取り、100億ドル(約1兆4800億円)の損害賠償を求めてフロリダ州の連邦地裁に提訴した。

ウォール・ストリート・ジャーナルは昨年7月17日、トランプ氏が2003年にエプスティーン元被告に「下品な」私信を送ったと報じた。

元被告の50歳の誕生日に送ったと同紙が報じたその私信には、「太いマーカーで手書きされたように見える裸の女性の輪郭の中に、タイプされた数行の文章」が含まれていたという。

この報道についてトランプ氏は、名誉を傷つけられたと主張していた。

トランプ氏の弁護士はBBCに対し、同氏が「強力な」訴訟を再び起こすだろうと述べた。

ダリン・ゲイルズ連邦地裁判事はこの日、トランプ氏について、WSJが自分に対して現実的悪意をもって行動したことを「まったく」示せていないと指摘した。アメリカの名誉毀損訴訟では、名誉を毀損されたと訴える原告が公人の場合、被告に現実的悪意があったと原告側が示すことが求められる。

裁判所は今回、再提訴が可能な形で訴えを棄却した。トランプ氏は27日までに、訴状を修正して新たに提訴することが認められている。

トランプ氏の弁護団は、「フェイクニュースを流布して米国民を欺く者たちに、(トランプ氏が)引き続き責任をとらせる」と述べた。

アメリカの名誉毀損訴訟における「現実的悪意」の基準は、報道機関や個人が公人について公表した内容が虚偽であることに加え、報道機関や個人がそれを虚偽だと知りながら公表した、または気づくべきだったのに公表した、あるいは虚偽かどうかを無謀に無視して行動したことを、原告側に立証するよう求める。

ゲイルズ判事は、トランプ氏が「被告らが現実的悪意をもって記事を掲載したとの主張を、信ぴょう性のあるかたちで提示できていない」ため、訴えを棄却せざるを得ないと述べた。

メディア王マードック氏が所有するニューズ・コーポレーション傘下のWSJは昨年7月、トランプ氏がエプスティーン元被告の誕生日に送ったとする私信をもとに、両氏が親しかったことをうかがわせる独占記事を掲載した。

同年9月には、米下院監視委員会の野党・民主党の委員らが、トランプ氏が描いたとされる女性の体の絵が入った、署名つきの手紙をソーシャルメディア「X」で公開した。それには数行の文章が書かれており、最後の行には、「誕生日おめでとう――そして、毎日がまた新たな素晴らしい秘密であるように」と記されていた。

WSJは昨年7月の記事に、私信の画像は掲載していなかったが、記事の内容と民主党の委員らが公開した画像の内容は一致していた。

トランプ氏は、こうしたメッセージは「偽物」で、自分は書いていないとした。

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