NY外為市場=ドル上昇、米経済指標受け

ニューヨーク外為市場で、米経済指標を受けドルが上昇した。(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 16日 ロイター] - ニューヨーク外為市場で、米経済指標を受けドルが上昇した。日本経済が第1・四半期に4四半期ぶりのマイナス成長となったことを受け、ドルは対円でも上昇した。

内閣府発表の1─3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期から0.2%減り、4四半期ぶりのマイナスとなった。年率換算では0.7%減だった。

これを受け、終盤の取引でドル/円は0.16%高の145.89円。ドルは対円で週初から0.4%上昇した。

この日発表の米経済指標では、4月の輸入物価指数が前月比0.1%上昇。資本財コストの急増がエネルギー製品の価格低下を相殺し、予想外の上昇となった。米ミシガン大学発表の5月の消費者信頼感指数(速報値)は50.8に低下し、市場予想の53.4を下回ったほか、1年先の期待インフレ率は7.3%と、1981年11月以来の水準に上昇した。
米中が10─11日にスイスのジュネーブで行った関税を巡る協議で合意に達し、世界的な景気後退への懸念が和らいだことを受け、 ドルは週初に約1%上昇。ただ、その後は経済指標が精彩を欠いたことなどで、軟調傾向にあった。

マネックスUSA( ワシントン) のトレーディング・ディレクター、フアン・ペレス氏は「貿易を巡る情勢が極めて速いペースで進展していることと、将来的な指針が相変わらず欠如していることが問題だ。こうした中で発表される経済指標は、実際に出ている不安感の全てを反映していない可能性がある」と述べた。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.36%高の101.13。

ユーロ/ドル は0.37%安の1.1146ドル。ポンド/ドル0.2%安の1.327ドル。

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