「何でも好きにやっていいとMLB機構の許可を取っていた」今季限り引退カーショーの本拠地ラスト登板での「粋な演出」に采配ミス続きで批判を浴びていたロバーツ監督の評価がV字回復?!(RONSPO)
91球目だった。 カーショーが5回先頭打者の3番、デバースにカウント2-2からアウトローへ投じた143キロのストレートは明らかにストライクゾーンより低いボール球だったが、ストライクがコールされて見逃しの三振。 ここでロバーツ監督が静かにベンチを出た。キケ・ヘルナンデスが、記念ボールをカーショーに手渡し、捕手、内野手がマウンドに集まった。そしてロバーツ監督と、握手をかわして抱擁。満員のドジャースタジアムにスタンディングオベーションが続く。 カーショーは帽子を脱いで手をふり、エレン夫人ら、家族の姿をネット裏に見つけるとハグのポーズ。ジャイアンツの選手達もダグアウトから拍手を送った。 カーショーコールは鳴りやまない。試合は止まったまま。 カーショーはダグアウトで、大谷や山本らと抱擁をかわして、もう一度、ベンチ前へ出てきて、帽子を脱ぎ、大声援にこたえた。 「ドジャーブルー」など複数の映像メディアによると、ロバーツ監督は、デバース一人で交代させた理由をこう説明した。 「5回まで投げさせるつもりだった。だが、試合が進むにつれて、彼の状態と球威を見ながら、過度のストレスがかからないように気を配った。試合に流れを読みつつ勝つことも忘れてはならなかった。4回の展開を見て、最後にアダメズを三振に終わらせた時、最後の打者として、デバースと対戦できたらと願っていた。左対左を彼に任せ、そこからブルペンに次の打者を備えさせる考えだったんだ」 4回にウィリー・アダメズを空振りの三振に仕留めた後にベンチに戻ってきたカーショーに、ロバーツ監督は「あと一人いけるか」と声をかけたという。 「彼に最後だと感じてもらたいたかった。持てる力のすべてを出し切り、ファンに最高の瞬間を届ける。それが彼にふさわしい花道だと思った」 カーショーは先頭打者ホームランを許すなど4回までに2失点したがゲームは作っていた。それだけに交代のタイミングは難しかったが、ロバーツ監督は、しっかりと、花道を見極めていた。 「最後にデバースを三振に仕留め、ファンへ称賛に値する完璧な時間を与えてくれた。これ以上ない幕切れだった。彼の目に涙があった。(マウンド上での)抱擁は素晴らしい瞬間だった」と自画自賛した。