米最高裁、敵性外国人法での不法移民送還差し止め継続
米連邦最高裁は16日、トランプ政権が「敵性外国人法」に基づいてベネズエラ人らを強制送還しようとしたことに対し、差し止め命令を維持する判断を下した。写真はベネズエラの空港に到着した不法移民。4月マイケティアで撮影(2025年 ロイター/Leonardo Fernandez Viloria)
[16日 ロイター] - 米連邦最高裁は16日、トランプ政権が1798年の戦時法「敵性外国人法」に基づいてベネズエラ人らを強制送還しようとしたことに対し、差し止め命令を維持する判断を下した。トランプ政権が適切な法的手続きを経ずに移民を強制送還しようとしている点を問題視した。
米自由人権協会(ACLU)の弁護士らは4月、政権側が必要な事前通知をせず、異議を申し立てる機会も与えることなく移民の強制送還を実行しようとしていると指摘し、最高裁に救済措置を求めていた。
トランプ大統領は最高裁の判断を批判し、「今日は米国にとって悪い、危険な日だ」と、「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。
この判決によって、長期にわたり費用もかさむ法的手続きを経ずに不法移民を強制送還することができなくなると主張した。さらに、この判決は犯罪者が米国に不法入国することを助長するとの見解を示した。
判断には保守派のアリート、トーマス両判事が反対意見を述べた。アリート氏は最高裁には現段階でこの問題に介入する権限はないとの考えを示し、被拘束者全体を対象とした救済措置が合法かどうか疑問を呈した。
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