トランプ氏、資産巡る質問で豪記者と応酬-首相と近く会談と示唆

Michael Heath

  • 豪ABCの記者に「あなたの指導者はすぐに私に会いに来る」
  • 米は安全保障枠組みAUKUSの見直しに着手、防衛費の増額も要求
Donald Trump speaks to members of the media at the White House on Sept. 16.

トランプ米大統領は自身の資産について質問したオーストラリアの記者とホワイトハウスで応酬した際、アルバニージー豪首相と近く会談することを示唆した。両者の対面での会談が実現すれば初めてとなる。

  オーストラリア放送協会(ABC)の記者は16日、大統領就任後に資産がどの程度増えたのか質問した。これに対して、トランプ氏は「分からない」と答えたうえで、自身の息子たちが一族の事業を運営していると説明した。また、「自分が手がけた取引のほとんどは(就任)以前に行ったものだ」とも述べた。

  さらに同記者が現職大統領として多くのビジネスに関わるのは適切なのかと聞くと、トランプ氏は記者の所属を尋ねたうえで「あなたは今、オーストラリアに大きな損害を与えている。あなたの指導者はすぐに私に会いに来る。私は彼にあなたのことを話すつもりだ。あなたは非常に悪い雰囲気をつくり出している」と述べた。

Reporter: Should a president in office be engaged in so much business activity?Trump: I'm not, my kids are running the business. Where are you from?Reporter: Australian broadcasting corporation

Trump: You’re hurting Australia very much right now. And they want to get along… pic.twitter.com/KDuyJ3nFCL

  さらに記者が質問を続けるとトランプ氏は「静かにしろ」と言い放った。

  シドニーにあるアルバニージー首相の事務所は17日、トランプ氏との会談についてコメントを控えた。

  アルバニージー氏とトランプ氏は、6月にカナダで開催された主要7カ国(G7)首脳会議で初の対面会談を予定していたが、イスラエルとイランの衝突に対応するためトランプ氏が予定を切り上げて帰国したため、直前に取りやめとなった。

  同首相は国連総会に出席するためニューヨークを訪れ、各国首脳と会談する予定だ。

  両国の緊密な同盟関係を巡っては、トランプ氏の返り咲き後に不確実性が増している。米国はオーストラリアへの原子力潜水艦配備を柱とする米英豪3カ国の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」の見直しに着手しているほか、防衛費を国内総生産(GDP)比2%前後から3.5%に引き上げるよう求めている。オーストラリアは応じていない。

  アルバニージー氏は16日、ニューヨークでトランプ氏と会談する予定だと明かし「来週火曜日の夜に大統領主催のレセプションがある。また、年末までに開かれるさまざまなフォーラムでも顔を合わせるだろう。まさにサミットシーズンだ」と語った。

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